理論物理学者のアルベルト・アインシュタインが「相対性理論」について次のように説明したという逸話があります。
熱いストーブの上に1分だけ手を置いたら1時間くらいに感じる。
可愛い女の子と一緒に1時間ほど座っていても1分くらいにしか感じない。
これが相対性理論だ。
アインシュタインが本当にこんなことを言ったのかは不明ですが、辛い時間や退屈な時間は長く感じて、楽しい時間は短く感じるというのは真実でしょう。
もしあなたが好きな男性から「一緒にいると時間が経つのが早く感じる」と言われたら、脈アリかもしれません。
そしてこの話の面白いところは、あなたは同じように感じないケースがあるということです。
好きな男性といても時間が早く感じるどころか、遅く感じることがあるのです。
時間の感じ方と脈アリの関係について説明します。
恋愛の場面では時間の感じ方に男女差がある
恋愛の場面において、時間の感じ方は男女差が出る可能性があります。
男性は好きな人と一緒にいると時間が経つのが早く感じますが、女性は遅く感じることがあるのです。
なぜなら、脳内の処理が男性と女性で異なっている可能性があるからです。
男性は純粋に楽しいと感じ、さらにはたくさんアピールしようとします。
女性は楽しいだけではなく、相手を吟味するためにちょっと手間のかかる作業をするのです。
魅力的な相手といると時間は早く感じるのか?
魅力的な異性といるときに、どのような時間感覚を持つのか調べた面白い実験があります。
ミーニョ大学のジョアナ・アランテスらが行ったものです。
スピードデートによる検証
この実験では、18歳から27歳までの男女にスピードデートをしてもらいました。
これは参加者全員と短時間ずつ会話するお見合いパーティーのようなものです。
それぞれが会話する時間は180秒から375秒までが設定されます。
しかし参加者に時間は知らされません。時間になったら終了の合図がされるだけです。
そして会話が終了したあとに相手の魅力の評価と、どれくらいの時間話していたと思うかを申告してもらいました。
男性は早く感じる、女性は遅く感じる
それぞれの回答を分析すると男女で差があることが分かりました。
男性の場合は魅力的に感じた女性と会話したときは時間が経つのを早く感じました。
たとえば実際には300秒話していたのに自己申告では200秒と答えたりしたのです。
しかし女性の場合は逆の結果となりました。
魅力的と感じた男性と話したときのほうが時間が経つのを遅く感じたのです。
女性は脳内であらゆる情報を処理する
なぜこのような違いが出るかというと脳内で処理している事柄が違うからと推測できます。
女性は良いなと思った男性と出会ったら情報を集めようとします。一見すると良い人だけど実は裏の顔があるような男性に妊娠させられたら大変だからです。
様々な手がかりをもとに相手の本性を暴こうとするので認知リソースを使いますし、多くのことを記憶しようとします。
また相手に良いイメージを与えるために発言に気をつけたりもします。
こういった作業をしているときは時間が経つのが遅く感じると言われています。
特に出会ったばかりの頃はこの傾向が顕著かもしれません。
男性はひたすらアピールする
一方で男性の脳はこのような作業はしません。
種をバラまくだけで多くの子孫を残せますから、いちいち吟味する必要がないのです。
特に男性は外見を重視するので一目見て良いと思ったら積極的にアプローチしようとします。
こういうときはいくら時間があっても足りないので時間が経つのが早く感じるのです。
わざわざ「時間が経つのが早い」と伝える意味
ここまでの説明でお分かりのように、男性が時間が経つのが早いと感じているということは、魅力を感じているということです。
そして、それをわざわざ言葉に出して伝えるというのは一種のアピールでしょう。
「あなたが好きなので一緒にいると楽しいです」と言っているのです。
もちろん、単に友達として楽しいと思っているだけの可能性はあります。
しかし、それでも脈が完全にゼロという可能性は低いといえるでしょう。
参考文献:Joana Arantes, Margarida Pinho, et al. (2021). “Time Slows Down Whenever You Are Around” for Women but Not for Men