女性が嫌いな男性のタイプとして挙げるもののひとつに「レストランや小売店での店員への態度が悪い人」というものがあります。
相手が反撃して来ないと分かっている場所で偉そうな態度を取るのはとても格好悪いものです。
店員への態度が悪い男性というのは現在の自分の地位に劣等感を抱えておりそれを慰めているのです。一時的にでも誰かの上の立場になることで精神的な安定を計ろうとしているのです。
店員への態度と社会的地位は反比例する
男性同士というのは何かと上下をつけたがるものです。年収、学歴、持ち物などを見て自分の方が上か下かという判断を無意識にしています。
ビジネス誌が学歴や年収をランキングした記事を掲載すると売上が伸びると言われています。それだけ相対的な地位にこだわる人が多いということです。
そしてそういった競争の中で自分の地位が低いと感じたときに自分に自信が持てなくなってしまう人がいます。
自分も高い地位を得たいという願望を持っているけれどそれを叶えられない人が店員に偉そうな態度を取ってしまうのです。
店員に偉そうな態度を取る人というのは普段の仕事の中で顧客や上司から同じことをされている人とも言えます。
そのような環境から目を背け「自分は本来こんな位置にいる人間じゃないんだ」と思い込みたい人が店員に対し偉そうな態度を取り上の立場に立つことで自分自身を慰めているのです。
「お客様は神様です」は誤解して広まっている
店員に偉そうな態度を取る人に限らず日本人は客のほうが立場が上だと思っている人が多いです。
たとえ客のほうが悪くても店員は反論をしにくい空気があります。客を高慢にさせ店員を萎縮させやすい土壌がある社会と言えます。
店員に偉そうな態度を取る人がよく言うセリフに「お客様は神様です」というものがあります。しかしこの言葉をサービス業に当てはめるのは間違いです。
「お客様は神様です」という言葉がいつ出来たのかは不明ですが世間一般に広まったのは歌手の三波春夫さんが歌を歌うときの心構えについて「雑念を打ち払ってあたかも神様の前に立つような、お客様方を神様と見て私は舞台に立つわけでございます」と言ったときからだとされています。
このセリフがいつの間にかサービス業全般の心構えのように誤解されて広まってしまったのです。2017年のNHKクローズアップ現代の中でも三波さんの真意について説明していましたがサービス業で使うのは間違いであるとされていました。
売買契約でも請負契約でも支払いをするほうが立場が上であるという法律はありません。どちらも対等な立場です。
特にコンビニやファミレスにおいて客が支払っているのは商品とそれを提供するための最低限の行為に対する対価です。必要以上に愛想を良くしてもらうまでの料金は含まれていません。
さらにいうなら、ドラッグストアで売られているような(客寄せのための)低価格の食品は粗利率より販管費率のほうが高いです。
つまり食品だけ買うときは客側が「この度は赤字を出してまで安く売っていただきありがとうございます」と頭を下げるくらいでちょうど良いのです。
しかし日本では多くの場面でお客様は神様ですという価値観が広まっているため客側のほうが偉いのだと勘違いしている人が多いのです。
自分に自信のない男性が鬱憤を晴らしやすい環境がお店やレストランには揃ってしまっているといえます。
社会的立場が高くても態度の悪い人
私が経営コンサルティングの依頼を受けたときに依頼主が「値下げしたほうが良いですか?」と言ったら反対することの方が多いです。
値下げをすることによって客の質が下がるとそれを嫌がる既存の優良顧客が離れてしまうからです。そして余計なクレームが増えて社員も疲弊します。
単価の高い店よりも安い店の方がクレーマーは多いのです。これは単価の高い店のほうが店員のサービスが良いからということではありません。
一番の理由は来店客のレベルが高いからです。それなりの店には余裕のあるそれなりの立場の人間しか来ませんから理不尽に怒鳴り散らすようなことはありません。
しかしある程度の成功を収めているのに店員への態度が横柄な人も時にはいます。コンプレックスをバネに成功したタイプの人に多いです。
このタイプは成功しただけでは満足できずそれにプラスして周囲からの称賛も必要なのです。それがなければコンプレックスを解消できないからです。
反撃される心配のない安全な場所での振舞い方というのはその人の本性が現れやすい部分です。
人を評価するときは自分に対する態度だけではなく第三者に対する態度もきちんと見極める必要があります。特に恋愛初期の盛り上がっている時期は判断力が鈍るので注意しましょう。