彼氏の年収が1,000万円を超えていたら「絶対に結婚するわ」と思うかもしれません。
日本人男性の年収の中央値は400万円ほどですから、だいぶ高収入といえます。
調査によっても異なりますが20代や30代で年収が1,000万円を超えている人は1%もいないといわれています。
ですから滅多に出会うことのできないレアキャラです。
仮にまだお付き合いしていない相手であってもアプローチされたとき「見た目も性格も妥協できるレベルだし、まぁいいか」となってしまうかもしれません。
それだけ年収の魅力は強いものです。
男性は写真加工などで顔を騙されたときに最も怒り、女性は年収を騙されたときに最も怒るという研究もあります。
年収を重要な条件として結婚相手を選ぶのは悪いことではありません。
しかし、注意しなければならないことがあります。彼氏のお金に対する考え方によっては結婚しても喧嘩が絶えない家庭になる可能性があります。
もう一つのお金の価値観
カップルにとってお金の価値観が合うのは大切なことです。合わないとケンカや破局の原因となってしまいます。
お金の価値観には何にどれだけ使うのかということ以外にもう一つあります。
それはお金が自分の自尊心にどう影響を与えるのかということです。
人生で何に価値を見出すかは人によって違います。
大切な人といつまでも仲良くいることや社会に貢献することを大切にする人もいれば、異性にモテることや創作活動で評価されることを大切にする人もいます。
そしてお金を稼ぐことに価値を見出す人もいます。
日本のような資本主義国においてはたくさんお金を稼げるのは優秀であることの証明になりますからおかしなことではありません。
たくさんお金を稼ぐことで自分は価値のある人間だと思い自尊心を高めるのです。
しかし彼氏がこのような価値観を強く持ちすぎていたら結婚するのは危険です。
自尊心の拠り所をお金にしている人というのはお金に困っていなくてもパートナーと喧嘩をしやすく関係に満足しにくいといわれています。
カップルのお金の価値観と関係の満足度
カップルのお金の価値観と関係の満足度を確かめたバッファロー大学のデボラ・E・ワード博士らの研究があります。
この研究ではまず最初にカップルにお金と関係性について次の項目についてアンケートを行っています。
- 経済的成功にどれだけ自分の価値を置いているか
- カップル間のお金での対立の頻度
- 関係満足度
- パートナーのサポート感
これらの回答を分析したところ経済的成功に価値を求めている人ほどお金での対立が多く関係にも満足していないことが分かりました。
これは収入が多いかどうかに関係ありませんでした。つまり貧乏だからお金のことで喧嘩をするわけではないということです。
別の実験では上記の項目について6週間にわたりカップルに日記をつけてもらいました。
こちらでも経済的成功に自己価値を強く感じる日ほど、お金のことで喧嘩をしたり関係の満足度が低いと感じやすいことが分かりました。
経済的成功にばかり注意を払うとパートナーに注意が向かない
なぜこのような結果になるのでしょうか?
それは経済的成功にばかり注意を払うことでパートナーに対する注意が低下するからと考えられます。
それにより相手の心の変化に気づかず共感できずに対立が増えるのです。
また経済的な成功が自分を価値のある人間にしてくれるという考えが強い人は「今の成功を維持しなければならない」というプレッシャーを感じやすいといえます。
そのため精神的に不安定となり相手に配慮する余裕もなくなってしまう可能性もあります。
あなたの年収を見下す可能性もある
彼氏がケチで何も買ってくれない…
ソシャゲやギャンブルにばかりお金を使っている…
このようにお金の価値観というとき私たちは出口(出費)のことばかり考えがちです。
しかし入口(収入)のこともきちんと考えましょう。
お金の使い方に何も文句を言わない人でも稼がなければというプレッシャーが強い人だと価値観は合わないかもしれません。
休みの日でも仕事ばかりしていたり、自分を成長させなければと常にスキルアップの時間を優先されたら関係は上手くいかなくなるでしょう。
またあなたの収入が低いことを見下す可能性さえあります。
彼氏のお金に対する価値観を変えるには?
すでにこのような価値観を持っている彼氏と付き合っている場合にはどうすればよいでしょうか?
実は今回紹介した研究では最後にもう一つの実験を行っています。
参加者を2グループに分けて片方には「お金は幸福をもたらす」という内容の文章を読ませ、もう一方には「お金で幸せは買えない」という内容の文章を読ませました。
その後でカップル間でお金の対立が起こっているシチュエーションについて考えさせました。
すると「お金は幸福をもたらす」という内容の文章を読んだグループのほうが否定的に捉えることが分かりました。
与えられる刺激によってお金に対する価値観は変化するということです。
つまり普段からお金を稼ぐことよりも大切なことがあるという刺激を与え続けることで彼氏のお金に対する価値観を変えられるかもしれないということです。
年収1,000万円は彼氏の実力で稼いでいるのかどうかも見極める
それと最後に一つだけ気を付けてほしいことをお伝えしておきます。
仮に彼氏の年収が1000万円以上だったとしても、それは本人の実力によるものなのか、単に入った会社の給与体系によるものなのかはしっかりと見極めなければなりません。
相対的に見れば年収の高い会社に入れるということは優秀である可能性は高いでしょう。
しかし、JTC(Japanese Traditional Company = いかにも日本的な古い価値観の企業)といわれるところに勤めている場合、倒産したとき同じ条件で他社に転職できる人は少ないです。
また高年収の企業であってコンプラ違反で稼いでいるような会社の場合には全体的に無能な人が多いのも事実ですから注意しましょう。
参考文献:Deborah E. Ward, Lora E. Park, et al. (2021). For the love of money: The role of financially contingent self-worth in romantic relationships.