インスタなどのSNSに自撮り写真ばかり投稿している人がいます。
ナルシストっぽくて気持ち悪い…と思う人もるでしょう。
実際に彼ら彼女らは自分のことが大好きなナルシストなのでしょうか?
それを調べた研究を紹介します。
ナルシストほど自撮り写真を投稿することが判明
高麗大学のリー・ジョンアとヨンジュン・ソンはFacebook、Instagram、Twitterなどに自撮り写真を投稿しているユーザー319人の行動と性格を調査しました。
どれくらい自撮り写真を投稿しているかと投稿者の性格を質問票で調べたのです。
その結果、予想通りナルシストほど自分の写真をアップするということが判明しました。
実はこの数年でSNSにおける行動を観察してユーザーの性格特性を調べる研究は急速に増えているのですが、どこの国で行われる研究でもほぼ同様の結果となっています。
文化や人種の影響をほとんど受けることなく、ナルシストほど自撮り写真をインスタなどのSNSにアップしがちなのです。
ナルシストほど「いいね」とコメントも気にする
今回の調査でさらに分かったことがあります。
それはナルシストほど自分の投稿に対して他人がどうアクションしてくれるかを気にするということです。
「いいね」やコメントに敏感なのです。
ナルシストは他人のSNS投稿には反応をしない
さらに興味深いことも分かっています。
それは自撮りを投稿するナルシストは他人の自撮り写真にも非常に強い関心を抱いているということです。
どんな写真をアップしているのかと、それに対して他のユーザーがどんなコメントをしているのかを注意深く観察しています。
しかし、ここが面白いところでもあるのですが、ナルシストは他人の自撮り写真に対して「いいね」やコメントをすることは滅多にないのです。
他の誰よりもじっくりと観察しているのに反応はしないのです。
自撮りを投稿するナルシストは性格も悪かった
なぜ自撮り写真ばかり投稿するナルシストは他人の投稿にフィードバックをしないのでしょうか?
これにはいくつかの理由があります。
他人の評価が上がるのが嫌だから反応しない
まず自分が「いいね」やコメントなどの痕跡を残すことによって他人の投稿の価値が上がってしまいます。
他人が人気者に見えることに貢献することになってしまうのです。すると相対的に自分の地位は下がります。
ナルシストにとってこれは許しがたいことなのでイイネをしないのです。
他人を気にしていると思われたくない
また反応することによって自分が常に他人を気にしていると思われるリスクもあります。
自分がどう見えるかを気にするナルシストにとって、いつもSNSで他人の行動を気にしていると思われることは屈辱です。
周囲の人間が自分を気にしている状態でなければならないのです。
他にもコメントを残すことによって自分が下の立場になった気分になってしまうことなどが可能性として考えられます。
あなたの周りで自撮り写真ばかりアップする癖に他人の投稿には無反応な人がいたらかなりのナルシストかもしれません。
自撮り写真ばかり投稿する人は恋愛もうまくいかな
インスタに自撮り写真ばかり投稿している人は恋愛関係もうまくいかないことが分かっています。
恋人とケンカをしたりすぐ別れる可能性が高いのです。
インスタに自撮りを投稿する人は恋人と揉めやすい
こちらはフロリダ州立大学が18から62歳までの420人(平均年齢は約29歳)を対象に行った調査です。
インスタの使い方とパートナーとの関係性についてのアンケートを行いました。
その結果、インスタに自撮りを頻繁に投稿している人は自分の体に対する満足度が高いことが分かりました。つまり自分のルックスが良いと思っているということです。
それから自撮りを頻繁に投稿している人はパートナーとトラブルになる頻度が高いということも分かりました。
インスタ投稿を浮気のきっかけにしようとするナルシストも
なぜこのような調査結果になるのでしょうか?
理由はやはり自撮り好きはナルシストで自分のことが大好きだからです。こういうタイプは他人とトラブルになりやすいのです。
それとインスタに投稿するという行為の裏側には「たくさんの人に見てほしい」という心理(下心)もあります。これは恋人以外に対しても「チャンスがあればアピールしたい」という意識の表れともいえます。
そして、実際にそこから新たな出会いにつながり浮気をしたり、そこまでいかなくとも恋人との関係の火種になることが多いのです。
唯一の良いところは自己肯定感が高いこと
自撮りを頻繁に投稿する人の唯一の良いところは自己肯定感が高いくらいです。
他の研究でも自撮りを投稿する人はナルシスト傾向や浮気願望が強いという結果が多く出ています。
要するに恋愛がうまくいかないタイプということです。
ナルシストがインスタに投稿するタイミング
ちなみにこういった話を聞いたときに「自分は運動をしているから、その記録のためにインスタに自撮り写真を上げてるだけ」と言い訳をする人もいますが…
ナルシストがインスタに自撮りを投稿するタイミングとして最も多いのはジムで運動が終わった後という調査結果もあります。
どんな理由があるにせよ、自撮りを頻繁に投稿している人はナルシストである可能性が高いということです。
自撮りを投稿していると嫌われる
もしかしたらあなた自身がインスタに自撮りを頻繁に投稿しているタイプかもしれません。
上手く撮れた自分の写真をインスタに投稿して友達から評価してもらうとテンションが上がります。
それが癖になって気がついたら自撮りだらけになっていたという人もいるかもしれません。
しかし周囲の人から本当に好かれたいと思っているならやめたほうが良いです。嫌われる可能性の方が高いからです。
承認欲求とナルシズム
自分のことを「ブスだ(ブサイクだ)」と言っても毎日見ているのですから見慣れていますし口で言うほど悪いとは思っていないものです。
たまに苦労の末に撮れた奇跡の1枚が素敵と思い、ほかの人もそう思うだろうと予測するのは仕方のないことです。
自己肯定感を正常に保つためにもそれくらいの前向きなバイアスは必要です。
しかし自撮り写真ばかりをインスタグラムに投稿し続けていると嫌われます。
自撮りばかり投稿するのは皆に見てもらって「かわいい(かっこいい)」と言ってほしいとか、自分てけっこう美人(イケメン)かもという心理によることが多いです。
承認欲求やナルシズムなどポジティブな要因ではありません。
仮にあなたがそう思っていなかったとしても他人からそう見えてしまうのです。
好感が持てないと評価される
自撮りばかり投稿する人が好感を持たれないということはワシントン大学のクリストファー・バリーらの実験でも示されています。
この実験では18歳から27歳までの大学生30人のインスタグラムのアカウントにある写真が使用されました。
これらの写真のセットを別の学生119人に見せてアカウントの持ち主の性格を評価させました。
その結果、自撮り写真の割合が多い持ち主ほど好感が持てないと判断される傾向にありました。また外向的でなく孤独そうとも評価されました。
これらは必ずしも投稿した本人が事前に受けた性格テストの結果と一致しませんでした。
つまり実際の性格が悪くなかったとしても自撮りのせいで悪く評価される可能性が高いということです。
他撮りは好感を持たれる
本当の美人(イケメン)なら最も美しい時代の自分を残しておきたいという気持ちがあるかもしれません。
しかしそれでも自分が思っている以上に僻まれますし批判されますからほどほどにしておいたほうが良いでしょう。
ちなみに他人に撮ってもらった自然な写真のほうが好感を持たれやすいということも分かっていますからそちらにしましょう。
常に自分の写真を撮ってSNSに投稿しなければ落ち着かないというのは精神疾患ではありませんが「自撮り依存症」という状態に陥っている可能性もあります。
参考文献
・Jung-Ah Lee, Yongjun Sung. (2016). Hide-and-Seek: Narcissism and “Selfie”-Related Behavior.
・Jessica L. Ridgway, and Russell B. Clayton. (2016). Instagram Unfiltered:Exploring Associations of Body Image Satisfaction, Instagram #Selfie Posting, and Negative Romantic.
・Christopher T. Barry, et al.(2019).‘Check Your Selfie before You Wreck Your Selfie’: Personality ratings of Instagram users as a function of self-image posts.