価値観の違いが離婚に結びつく場合、結婚前から既に過ちを犯しているケースがあります。
よくある事例としては恋愛初期の興奮のまま突っ走ってしまい価値観が違いすぎるのにそれを無視して結婚してしまうパターンや、趣味が同じことと価値観が同じことを混同して結婚してしまうパターンが挙げられます。
価値観とは手持ち資産の配分方法
価値観とは「何を大事にしているか?」ということです。
もっと分かりやすい視点で見るのなら「自分の持っている資産を何にどれだけ費やしたいと思うのか?」を価値観と考えると良いでしょう。
私たちが持っている資産というのは時間、体力、お金などです。人に配慮するときに遣う「気」も資産と言えるかもしれません。
これらの資産をどのように配分したいと思っているのかが異なる人同士が結婚すると価値観の違いによって離婚してしまうことがあります。
分かりやすい例えとしてお金の配分方法があります。給料をもらったら何にどれだけ使いたいのかというのは価値観の問題です。
使えるだけ買物や飲食に使いたいと考える人もいればできるだけ多く貯金したい人もいます。株や不動産に投資したい人もいればギャンブルに賭けたい人もいます。
結果として同じだけの金融資産を築いていたとしてもそこに至るまでのプロセスが違うと関係が上手くいかないのです。
時間の配分についても同じことが言えます。会えなくてもイライラしないのは時間についての価値観が同じだからです。
ひたすら仕事に没頭して深夜まででも働きたい人もいれば仕事は生活の糧を得るための手段としてできるだけ早く帰りたい人もいます。
お互いが仕事こそ自己実現のための手段であるという価値観を持っていれば仕事が長引いて会えなくなったとしてもそれほどイライラすることはありません。
しかしどちらか一方が仕事はほどほどでいいやという価値観の持ち主であると仕事の都合で会えなくなったときに不満を感じやすくなります。
同じ状況になっても価値観が同じか違うかによって許せるか許せないかが変わるのです。
盛り上がっているときは価値観の違いを無視する
恋愛が最も盛り上がるのは付き合う寸前から付き合い始めの数ヶ月です。この時期は恋愛ホルモンも大量に分泌されますから興奮しっぱなしです。
相手の良い部分しか見えませんから価値観の違いなど意識しません。興奮と刺激さえあれば二人の関係が継続できるのです。
仮に違和感を覚えるようなことがあったとしても無意識のうちに目を背けます。
私の彼氏は完璧という思い込みが冷静な判断力を失わせている状態です。
このような暴走状態のまま結婚まで行ってしまうと興奮から覚めたときに価値観の違いがどんどん目につくようになります。
そして「結婚してから夫は変わった」ということになります。しかしこれは夫が変わったのではありません。
妻が夫の本当の姿に気付いたのです。結婚前にもその兆候は見えていたはずですが無視していただけです。
一度目についた相手の許せない部分はその後もどんどん大きくなってゆきストレスや不安の原因となります。それが限界にきたときに離婚へとつながってしまうのです。
恋愛が盛り上がっているときは価値観の違いを無視しがちなので注意しなければなりません。
「好きだから我慢できる」というのは恋愛感情が冷めたら我慢できなくなるということですから忘れないでください。
趣味が同じだから価値観も同じとは限らない
既に説明したように価値観というのは「資産を何にどれだけ費やしたいのか?」ということです。
「何に」だけではなく「どれだけ」というのも重要な要素です。ここを見落とすと趣味が同じというだけで価値観が同じと勘違いしてしまうこともあります。
例えばお互いにテニスが好きだったとします。
男性はプロを目指すくらい真剣に取り組んでいて女性は健康維持程度に取り組んでいるとしたら価値観が同じとは言えないでしょう。
ここまで極端な差がないにしても取り組む熱量が異なれば価値観も異なる可能性はあります。お互いが費やす時間もお金も異なるからです。
女性からすると「趣味にそこまで熱中するなんて考えられない……」となってしまうかもしれません。
男性からすると異なる競技でもプロを目指している女性のほうが価値観が同じと思えるかもしれないのです。
ちょっとした共通点があるということは安心感をもたらしますから見ず知らずの男女が出会った場合に急接近する要素となることはあります。
しかしそれが必ずしも同じ価値観に結びつくわけではないということを知っておく必要があります。
価値観が違うのは当たり前なので……
価値観が全く同じ人と出会って結婚できる確率は非常に低いです。
結婚にあたっては自分の中で譲れないものと妥協しても良いものを線引きしておく必要があります。
特に仕事やお金、気遣いといった事項については価値観が異なると毎度の喧嘩の原因となり離婚しやすくなります。
価値観の違う部分についてはは補いたいと思えるかどうかが重要です。
相手がそれほど重要視していない事柄については自分が補いたいと思えるようであれば結婚後もイライラすることはないでしょう。
一緒に生活しているうちにどちらかの価値観が変わっていくということもあります。
また自分自身の価値観に気づいていない人もいますのでまずは自分を知ることが大切なのかもしれません。