あなたは自分のことをそれほど性格が悪いと思っていませんし、他人にも気を遣っているほうだと思っています。
しかしなぜか異性からも同性からも嫌われてしまって悩んでいるかもしれません。
悪いことをしているつもりはないのになぜいつも人から嫌われるのだろう……
実はこのように何もしていないのに嫌われる人には特徴があります。
そしてその特徴は話し方に出ます。
自分でも無意識にしている話し方が相手も気づかないうちに嫌悪感を抱かせているのです。
これは恋愛にも友情にも悪影響を及ぼすものですから改善しなければなりません。
話題には気をつけるが副詞には無頓着
好きな人に好かれようと思って明るい話をしようとしますよね?
面白い話題とか相手が好きそうな話題を選びますね…
そのとき自分がどういう副詞や形容詞を使っているかまで意識していますか?
「すごい」「めっちゃ」とかそういう言葉です。
ほとんどしていない人が多いと思います。人間は会話の内容に気を遣うことはあっても副詞や形容詞は使い慣れたものを無意識に使うので意識しないのです。
危険な副詞や形容詞
実は何も考えずに副詞や形容詞を使うのは友情においても恋愛においても危険なのです。友達や好きな人から嫌われるリスクがあります。
あなたがよく使っている副詞や形容詞がネガティブな言葉と一緒に使われることの多いものだった場合、その言葉自体に悪い意味がなかったとしても、あなたと会話している人はあなたに悪いイメージを持ってしまうのです。
何もしていないのになぜか人から嫌われるという人はネガティブな言葉と一緒に使われる副詞や形容詞を使った話し方をしてしまっていることが多いのです。
「彼はすっかり変わった」
例えば「彼はすっかり変わった」と聞いたときに彼は良いほうに変わったとイメージしますか?それとも悪いほうに変わったとイメージしますか?
ほとんどの人が悪いほうに変わったとイメージすると思います。
なぜかというと「すっかり」という言葉はネガティブな言葉と一緒に使われることが多いからです。
そのため「すっかり」と聞いた時点で悪いことを予測してイメージしてしまうのです。
「すっかり」という言葉自体に悪い意味がないにも関わらずです。
温かいイメージと冷たいイメージ
このことは南カリフォルニア大学の実験でも分かっています。
実験では「全く、すっかり」という意味の「utterly」を含む文章と「totally」を含む文章で人物を表現したものを参加者に読ませました。
すると「totally」で表現された人物は温かいイメージを持たれ、「utterly」で表現された人物は冷たいイメージを持たれました。
「utterly」はネガティブな文脈で使われることが多い言葉なのです。
ポジティブワードは恋愛感情を持たれやすい
恋愛においても同じことが起こります。
この実験では男性のプロフィールを女性に見せて評価させる実験もしています。
そこから以下のことが分かりました。
- ポジティブな文脈で使われることの多い言葉でつくったプロフィールは恋愛感情を持たれやすい。
- ネガティブな文脈で使われることの多い言葉をつかったプロフィールは恋愛感情を持たれにくい。
「なぜか分からないけど嫌」と思われて嫌われる
その言葉自体にはポジティブやネガティブな意味がなかったとしても、一緒に使われることの多い言葉のイメージを持たれてしまうのです。
この効果の怖いところは話を聞かされる側も「この人の話ってなんか嫌だな」と思ってもなぜ嫌なのか分からないことです。
明確に悪い話をしているわけではないので理由が分かりません。
するとどうなるかというと「なぜか分からないけれど嫌な気持ちになるから自分はこの人が嫌いなんだ」と思われる可能性があるということです。
普段づかいの副詞や形容詞を見直すとイメージが変わる
人に好かれる話し方をしようと思ったときに「悪い言葉を使わないように」という意識はできます。
しかし「悪い言葉と一緒に使われがちな言葉を使わないように」という意識はできない人がほとんどです。
本当に好かれたいのであればそこまで意識しないと危ないのです。
自分が普段どういう副詞や形容詞を使っているのか見直してみると周りからのイメージが変わるかもしれません。
なぜかモテる女性は良いAffective Presence(感情的な存在感)を持っているとされますが、美しい言葉づかいはこれらを高めることもできます。
参考文献:David J.Hauser, NorbertSchwarz. (2018). How seemingly innocuous words can bias judgment: Semantic prosody and impression formatio.