留学先で出会った好きな人が忘れられない(留学と恋愛の心理)

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留学先で出会った好きな人が帰国後も忘れられないという人は少なくありません。

留学中は恋愛のシチュエーションが揃っています。

また留学先での恋愛は良い思い出と結びつくため忘れにくいのです。

恋愛と留学

留学中は恋愛しやすい条件が揃っている

留学の際などその地の文化に慣れるまでには気持ちの段階があります。

これをグラフで表わしたものが「異文化適応の曲線」です。

新しい環境にワクワクしている期間の次に文化の違いによるショックを受ける期間が来てその後に適応できるようになり安定して……

といったように気持ちの上下を繰り返す過程を表わしたものです。

留学中の異文化適応曲線

留学先の新しい環境にワクワクしている時期をハネムーン期と言います。初めて見る景色や街並みに心躍らせこれからの素晴らしい生活を夢見ている時期です。

この時期というのは気持ちを開いているので通常よりも受け入れやすい状態です。新たに出会う人に対しても心を開くことができすぐに距離が近づきます。

また人間は自分の気持ちが良いときに出会った人には良い感情を持ちやすいですから好きな人ができやすい時期といえます。

留学のドキドキを異性に対するドキドキと勘違いする帰属のエラーが起こる可能性もあります。

新しい環境の新鮮さがなくなった頃にやってくるのがカルチャーショック期です。文化の違いにとまどったり言葉が通じないことによるストレスなどを感じます。

そして自分に対する自信を失う時期でもあります。自尊感情が低くなっているときというのは相対的に周囲の人の評価が高くなります。

そのためこの時期も他人を魅力的に感じやすい時期だと言えます。

こういった感情の変化の影響がなかったとしても留学に行くということは新しいものを受け入れようという気持ちになっているため人間関係にも積極的になりやすいのです。

日本にいたらただのナンパと思うようなことでもドラマチックな出会いと認識してしまうこともあります。

留学先で出会った人は特別な人と思いやすい

留学先で出会った人というのは外国人でも同じ留学生である日本人でも特別な人と思いやすいといえます。

相手が外国人の場合は留学が終わったら会えなくなってしまうという気持ちがあるため通常よりも高く評価してしまうことがあります。

また母国語が違う人同士が一生懸命にコミュニケーションを取ろうとするだけで特別な感情が芽生えてしまう人は少なくありません。

異なるバックグラウンドを持っている人に出会うとそれだけで魅力的な人に見えてしまうこともあります。

自分と同じ日本人留学生に対しても恋愛感情を抱きやすいといえます。

「類似性の法則」といって自分と共通点を持つ人に対しては親近感を抱きやすいのです。

留学先では同じ日本から来ているというだけでそれが共通点になります。そしてさらに会話の中で共通点を探し出そうとします。

例えば相手の出身地と自分の出た大学の場所が同じだったというだけで運命だと思ったりします。下手すると旅行で行ったことがあるというだけで共通点があると思ったりもします。

留学をするくらいアクティブな人の場合、自分が関わった土地に相手が全く無関係である確率のほうが低いのですが留学中のような特殊な環境ではそういった判断をする冷静さは失われがちです。

そしてこれがよくあるケースなのですが生き方や価値観についての会話をすることで「この人は自分をしっかり持っている人」と思い込んでしまうことです。

留学中は自分のことに向き合いこれからどう生きるかと考えるも機会は多いのですから会話の内容もそういったものになるのは当然なのですが特別な人であると思い込んでしまうのです。

同じ思い出ボックスに入っているから忘れられない

留学先で出会った好きな人のことを忘れることが出来ないのは留学の良い思い出と好きな人の思い出が同じボックスに入っているからです。

高級車のコマーシャルはヨーロッパの美しい街並みをゆっくりと走るといった内容のものが多いです。こういったコマーシャルを見せられると美しい街並と車のイメージが結びつくのです。

このように本来は関係のないもの同士を一緒に見せられることでイメージが結びつくことを心理学では「連合の法則」と言います。

コマーシャルで芸能人を使うのも芸能人の魅力と商品の魅力を結びつける効果を狙っているのです。

芸能人が不祥事を起こしたときにスポンサーがすぐに降板させるのもクレームが怖いからというよりは連合の法則によって多くの消費者にマイナスのイメージが強く結びついてしまうのを恐れているからです。

芸能人が不倫をしたからといってコマーシャルした商品の品質が悪くなるわけではないのですが人間はその商品の価値を低く見積もってしまうのです。

留学先で出会った好きな人のことを帰国後も忘れることができないのも連合の法則によるものかもしれません。

留学先での楽しい記憶と好きな人の記憶が結びついているのです。同じ思い出ボックスに入っているので楽しい記憶を思い出すたびに好きな人のことも思い出します。

それが実は単なる情報としての記憶に過ぎないのに「忘れられないくらい好きな人」と勘違いしている場合もあります。

留学のような記憶に残りやすい出来事というのはそれに関連する情報も忘れ難いものです。留学先で出会った同性の友人のことも忘れていないはずです。

留学先で出会った人が本当に好きなのであれば問題はありません。特に同じ日本人同士であれば同じ国に留学しようと思ったということは価値観が似ている可能性も高いですから上手くいくでしょう。

しかし好きかどうか分からないけれどなぜか忘れられないという混乱状態の人は仮に日本で日常生活をしているときに出会ったとしても同じ気持ちになったかということを考えたほうが良いかもしれません。