嫌いになって別れたのでないなら元カレのことが忘れらないのは自然なことです。1年以上もずっと忘れられないということもあるでしょう。
しかしそれは元カレのことを「忘れられないほど大好き」ということではないかもしれません。
好きな感情もありますが他の感情もあるということが恋愛カウンセリングをしているとよくあります。
好きな感情と他の感情が混ざっている状態を「全て好きな感情」であると勘違いしているのです。
恋人がいるというポジションを失い余裕も失う
TBSの「ナイナイのお見合い大作戦!」という番組をご存じでしょうか?結婚したい男女が集団でお見合いをするという企画です。
カウンセリングを受けにきた女性が「彼氏のいたときは楽しく視ることが出来たのに別れてからは楽しめなくなった」という話をしていました。
これは失恋したことで恋愛ネタを遠ざけたいという思いもあるのですが、それ以上に恋人がいるというポジションを失ったことで余裕がなくなったことが原因です。
恋人のいない男女が必死になっている姿というのは自分に恋人がいるから余裕を持って見ることができるのです。少し上から目線にもなっているのです。
しかし自分も恋人がいなくなると余裕がなくなりますから楽しめないのです。
恋人と別れるということは相手だけではなく恋人がいることで得ていた様々な立場も失うということです。カップルでなければ行けない場所やイベントにも行けなくなります。
自分では意識しにくい部分ではありますが恋愛感情以外の部分にも穴が空いてしまうのです。そしてその空虚感は元カレへの愛情と錯覚しがちなものです。
自分が保有したものは価値を高く見積もる
失うということに関してはもう1つ重要な説明があります。
元カレへの好きな気持ちが変化していないのであれば「付き合ったときの喜び」よりも「別れたときの悲しみ」のほうが大きくなります。
人間というのは1万円もらった喜びよりも1万円を失ったショックの方が大きいものなのです。
自分が所有していたものは特別なものになり価値を高く見積もる傾向があります。これを「保有効果」といいます。
自分の乗っていた車を売るときに買取業者が正当な値段を提示しても低く評価されたと感じるのは保有効果によるものです。
保有した期間が長くなるほどにこの効果は増します。長年付き合った元カレほど価値を高く見積もってしまうのです。
また元カレを嫌いになるということは自分の費やした時間や労力を否定することにもなります。そのため嫌いになろうとしても難しいのです。
元カレの離脱症状
恋人と別れた後にくる辛い時間はドラッグをやめた人間が体験する離脱症状と同じようなものです。
元カレと過ごした楽しい時間が切れてしまうと辛いため何かで代替しようとします。たいていは思い出に浸るという手段をとります。
元カレの写真を眺めたりメッセージのやり取りを見返したりSNSを覗いてしまうこともあります。
これらの行為は元カレを余計に忘れられなくしてしまう行為です。脳の報酬領域は手に入らないときほど活動的になると言われています。
思い出に浸るというのは自ら依存状態に留まるような行為なのです。これを繰り返していると何ヶ月経っても元カレを忘れることはできません。
元カレとの思い出の品を処分する必要はありません。いつでも見ることが出来るという状態のほうが執着しなくなることもあるからです。
しかし目につくところからは遠ざけたほうが良いでしょう。
元カレを思い出させるモノを目に付く所に置くのは薬物依存の人が目の前にドラッグを置いた状態で克服しようとしているようなものです。
(※ただし片付ける前に思いっきり思い出に浸るというのは悪いことではありません)
元カレに対する好きな気持ちが100%ではなくても50%より多ければそこに様々な感情が加わるため忘れることが出来ないという状態に陥ることはよくあります。
そして悲しみに押しつぶされ一生忘れることが出来ないのではないかと不安になることもあります。
しかし実はこの状態こそが離脱症状なのです。そこを乗り越えることが出来れば元カレを忘れることはできます。
まずは今の状態を冷静に受け止めてください。