両思いなのに付き合えなかった人を忘れられない理由はバイアス

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両思いだけど付き合わなかった人のことが忘れられないということがあります。

お互いに気持ちを伝えないまま関係が切れてしまった場合もあれば、何らかの障害があって付き合えなかったという場合もあります。

付き合わなかった理由はどうであれ、あなたが何年も忘れられないというのであれば、それはその人と一緒にいることが最も幸せだったと思っているからかもしれません。

付き合っていない人だからこそ、忘れられないともいえます。

シミュレーション・ヒューリスティックの罠

人間というのは頭の中で「こうなるのでは?」という物語をシミュレーションすることによって本当にそれが起こりそうな気がしてきます。

統計的な発生確率が50%であってもそれが起こる可能性を高く見積もってしまうのです。

これを認知心理学で「シミュレーション・ヒューリスティック」といいます。一種のバイアスです。

付き合ってないけど忘れられない人がいるというあなたの頭の中でもこれが起こっているのです。

両思いの相手と付き合っていたら幸せだったに違いない

あなたは両思いの相手と付き合ったらとても幸せになるだろうなと考えていたと思います。

楽しいデートをしているところや、優しい言葉を掛けてくれるところを想像して、ドキドキしていたのではないでしょうか?

付き合ったらきっとこういうことをしてくれる、こんな風に扱ってくれるという物語を作っていたはずです。

しかし、それは実際に付き合ってみなければ分からないことです。

恋愛経験のある人なら、好きな人でも付き合ったら理想通りに行動してくれるとは限らないことを理解しているはずです。

つまり両思いの相手と付き合ったら、それなりに幸せである可能性は高いでしょうが、あなたが思い描いている通りのことが100%起こるわけではありません。

しかし、あなたは両思いの相手との甘いシチュエーションを頭の中で何度も妄想したおかげで、それが起こる可能性を非常に高く見積もっていたのです。

シミュレーション・ヒューリスティックの影響を受けているのです。

両思いであったがゆえに忘れられない

シミュレーション・ヒューリスティックにつながる妄想をしやすくなる状況があります。

それは前提となる条件が簡単に手に入りそうな時です。

両思いはこれに該当します。

両思いであれば「付き合ったら幸せだろうな」という妄想において、「付き合う」という前提条件は手に入りやすそうに感じるからです。

つまりあなたは両思いであるがゆえに頭の中で何度も何度も妄想をし、シミュレーション・ヒューリスティックの影響を強く受け続けていたということです。

あなたの妄想の中では両思いの相手が完璧な彼氏になっているのです。

手に入りそうだったから忘れられない

この「手に入りそう」だった状態が厄介なのはそれだけではありません。

あなたがパン屋さんに行っておいしそうなクロワッサンを見つけたとします。買おうとしたら残り1個を他の客に買われてしまいました。

仕方なくデニッシュを買って食べました。このときあなたは「あのクロワッサンはこのデニッシュよりも遥かにおいしかっただろうな」と思うでしょう。

最初からクロワッサンが売り切れていればそのようには思わないはずです。

人間というのは手に入りそうだったのに、手に入れられなかったときの方が引きずるのです。

なぜなら答えが出ていないので何度も頭の中でグルグルと考えるからです。

両思いの相手と付き合っていない状況もこれと同じです。答えが出ていないのでいくらでも良い妄想をすることができます。

付き合ってみたら実はワガママでダメな彼氏になていたかもしれませんが、それが判明することはないので、永遠に素敵な男性のままなのです。

これらの理由によっていつまでも忘れられないのです。

今が幸せでないから忘れられない

人間は選ばなかった方の選択肢を選んでいたらどうなっていたのかと想像することがあります。

特に現状に満足していない時こそこのようなことを考えがちです。

あなたが両思いだった相手のことを思い出した時に温かい気持ちになるくらいだったら良いです。

しかし、今の彼氏や夫との恋愛がうまくいっていない時に「あの人と付き合っていればもっと幸せだったのに」と思っているなら問題です。

今が幸せでない理由をそこに帰結させてはいけません。

シミュレーション・ヒューリスティックによって両思いだった人との未来を過大評価していないか考えてみましょう

何かとの比較は人を幸せにはしません。たとえそれが過去の自分であってもです。

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