恋愛において第一印象はとても重要です。
「初頭効果」と言って最初に与えられる情報がその後に与えられる情報にも影響を与えやすいからです。
初対面の時に悪い印象を与えてしまうとその他の部分についても悪く捉えられてしまい恋愛関係に発展する妨げとなってしまいます。
最初と最後の印象は残りやすい
人間は最初と最後に受けた情報が記憶に残りやすいと言われています。
例えば英単語を30個ほど順番に覚えるとします。その後にテストをすると最後のほうに覚えたものを思い出せる率が最も高く、つぎに最初のほうに覚えたものの率が高い傾向にあります。真ん中あたりで覚えたものは思い出しにくいのです。
これを「系列位置効果」と呼び人間の記憶は短期記憶と長期記憶に分けられるという説(二重記憶モデル)の根拠と言われています。
短期記憶というのは例えば電話をかけるときに一時的に覚えておく番号のように数秒で忘れてしまう記憶のことです。しかしこのような番号でも何度も繰り返し利用するうちにやがて長期記憶として定着します。
最初の方に覚えた単語は短期記憶に余裕があるので何度も復唱できるため長期記憶に転送されやすく、最後のほうに覚えた単語はまだ短期記憶の中に残っているので簡単に思い出せるということです。
短期記憶は数秒で忘れてしまう記憶のことですので人に対する印象と同様には考え難いでしょうが、最初と最後が印象に残りやすいということは何となく理解できると思います。
最初の印象が残りやすい現象を「初頭効果」と呼び、最後の印象が残りやすい現象を「新近効果」と呼びます。
初対面のときの第一印象がいつまでも残るのは初頭効果と言えます。
なぜ第一印象を覆すのは難しいのか?
初対面の第一印象が最悪だとそれを覆すのは難しいと言われています。
なぜなら人間は一度相手の印象を決めるとその考えが正しいということを裏付ける情報にばかり目が行くようになるからです。
初対面のときに相手に関する情報を全て網羅して総合的に判断することは不可能です。
ほとんどの場合、何か際立った特徴に注目しそこから勝手に想像を膨らませて相手に対する印象を作り上げます。
目つきが悪ければ怖そうな人とか、過去に出会った人に似ていればその人と同じタイプだろうなどと少ない手がかりから全体の印象を決めます。
すると自分の決めた第一印象が正しいのだということを証明してくれるような情報にしか目が行かなくなります。
嫌な人というイメージを持つと相手の嫌な部分にしか注目しなくなります。親切にしてもらってもそのことを認識しなくなるのです。
このため最初の印象が正しかったのだという考えがより強固になっていくのです。
最悪な印象でも覆すチャンスはある
初対面の第一印象を覆すのが難しいといっても絶対に無理ということはありません。
「出会った頃はお互いに最悪な印象だったけど結婚しました」という夫婦がたくさんいることからも分かると思います。
先ほども説明しましたが人間は直近の印象(最後の印象)も重視します。
最後に会ったときの記憶が強く残りその人の印象を作ることもあります。
新近効果は1日の中でも起こります。
デートのときに待ち合わせたときは機嫌が良かったのに別れ際に不機嫌な態度を取ると相手は別れ際の印象を重視します。なので悪い印象を持たれてしまうということです。
そうならないためにも別れ際は笑顔で愛想よくするようにしましょう。会っていない時間もあなたの良い印象を膨らませてくれます。
意外な一面を見せることで印象を180度変わることもあるのです。
ただし、初対面の第一印象が最悪な場合には、珍しい情報を与えなければ印象は変わりません。詳しくは「男に一度でも嫌われたら終わりの理由&好かれる方法」を参照してください。
単純接触効果は嫌いな人には起こらないどころか逆効果
企業ブランドというのは不祥事などで一度悪い印象を持たれてしまうと挽回するのが難しいのですが、恋愛においては何度でもチャンスはあると思います。
初対面の印象が悪かったとしても諦める必要はありません。良い印象に変えて恋愛関係に発展するケースはいくらでもあります。
反対に考えれば初対面の印象がどんなに良かったとしても会っているうちに悪い印象へと変わってしまうことも有り得るということですので気をつけましょう。
何度も会うと好きになる効果を「単純接触効果」と言いますが、これは嫌いな相手には発生しないどころか、余計に嫌いになることが研究で判明していますから、まずは悪い印象を消すことが肝要です。
視覚情報が第一印象の多くをつくる
初対面の第一印象というのは外見的な特徴によって作られることが多いです。
顔の作りや表情、体型、服装などから受け取った情報を重視します。
「初対面のときの最初の○秒の印象がその後○年残る」という言い回しを聞いたことのある人もいるでしょう。
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによると言葉と態度で矛盾したメッセージが発せられたときに人は視覚情報を優先して受け取るのだそうです。
例えばムスっとした顔で「怒ってないよ」と言われた場合、言葉の内容より態度を優先するので怒っていると判断するということです。
メラビアンの実験によると矛盾したメッセージが発せられた場合に人が重視する割合は視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%となるそうです。
これを「メラビアンの法則」「7-38-55のルール」「3Vの法則」などと言います。
この法則によれば性格のキツそうに見える女性がツンとした話し方で「私は優しい人よ」と言っても信用されにくいということです。
(※あくまでも「矛盾したメッセージが発せられた場合」という前提つきですので「人は見た目が55%」などと勘違いはしないでください)
特に男性は恋愛において視覚情報を重視する傾向にあるように思います。
自分の遺伝子を残してくれる女性かどうかをクビレや肌や髪の艶といった外見で判断するようになっているからとも言われています。
恋人と初めて会ったときの印象を聞いても外見的な特徴を言う人が多いことからも恋愛においては見た目が大切な役割を果たすことが分かるでしょう。
だからといって「私は美人じゃないし…スタイルも悪いし…」と悲観する必要はありません。
表情も大切な要素なのです。美人でムスっとしている人よりも美人でなくてもニコニコしている人の方が第一印象は良いです。
誰かの顔を思い出すときに無表情な真顔を思い出す人は多くありません。たいていはその人がいつもしている表情を思い出します。
いつも笑っている人は笑顔を思い出してもらえます。怒りっぽい人は怒った顔ばかり思い出されます。それが印象です。
第一印象を良くしたいなら普段から笑顔でいるようにしましょう。出会いはいつやってくるか分からないのですから。