まつ毛は短いよりも長いほうが良いとされていますね。
マツエクやマスカラで長くする人が多いことからも明らかです。
とはいえどれくらいの長さが理想なのでしょうか?
長ければ長いほどモテるのでしょうか?
アジア人の理想のまつ毛の長さ
まつ毛の長さと魅力の関係を調べた、プリマス大学のファリド・パズーヒ博士らの実験があります。
コンピュータでまつ毛の長さを調整した顔の画像を見せて、参加者にその魅力を7段階で評価させました。
その結果、同じ顔でも、まつ毛の長さが目の幅の30~35%のときに最も好まれることが分かりました。
実験結果を細かく見ると人種によっても多少の差があることが分かります。
アジア人がアジア人を評価する場合には、まつ毛の長さが目の幅の30%のときに最も魅力的と評価され、次いで25%のときでした。
ですから、欧米系の女性のまつ毛を参考にすると少し長すぎてしまうかもしれません。
まつ毛の長さは健康状態のシグナル
まつ毛が長い方が良いと思うのは映画やファッションによってもたらされた西洋的な価値観の影響が強いでしょう。
ハリウッド女優も有名モデルも長いまつ毛を強調しています。
しかし、人間の進化的な適応の観点から考えても、まつ毛は長いほうが有利といえそうです。
まつ毛は雑菌の侵入や瞳の乾燥を防ぐ役割を持っています。つまり健康状態の指標にもなり得るということです。
動物には強い子孫を残したいという本能があります。
なので適度な長さのまつ毛の異性を見ると「この相手は健康そうだから強い子孫を産んでくれそうだ」と感じて惹かれるということです。
人工的なまつ毛を使った実験
今回の実験で目の幅に対し約30%(約3分の1)の長さのまつ毛が魅力的という結果になっていますが、これは機能的にも最適な長さのようです。
ジョージア工科大学大学の研究者が22種の哺乳類のまつ毛の長さを計測したところ、そのほとんどが目の幅の約3分の1だったのです。
また、水の入った皿の周りをまつ毛に見立てたプラスチック製の糸で囲み、そこに扇風機で風を当てるという実験もしているのですが、このとき水に最も微粒子が付着しなかったのは3分の1の長さにしたときでした。
ちなみにこの長さのときが水分の蒸発も最も少なくなりました。
目の幅の50%を超えてくると魅力は下がる
実験では理想的なまつ毛の長さに人種ごとに微妙な差がありました。
肌や目の色、彫の深さによって似合う長さが異なることが理由として考えられます。
これは同じ日本人同士でもいえることですから必ずしも30%が良いとは言い切れません。
とはいえ、理想のまつ毛の長さはこれくらいのレンジに収まるようですから参考にしてみてください。
ちなみに、目の幅の50%を超えてくると魅力は下がっていきますので注意しましょう。
参考文献
・Pazhoohi, F., Kingstone, A. Eyelash length attractiveness across ethnicities. Sci Rep 13, 14849 (2023).
・Guillermo J. Amador,et al.(2015).Eyelashes divert airflow to protect the eye.