恋愛相談に来る人の中には恋愛の情報商材を買ったことのある人が少なくありません。
情報商材というのはマニュアルやノウハウを文章や動画にして販売したものです。
「絶対に元カレと復縁する裏技」とか「必ず両思いになれるテクニック」などと謳っているものが多いです。
ネット上の広告で見たことのある人もいると思います。
値段は数千円から数万円、高いものだと10万円を超えるものまであります。
ではその値段に見合った情報を手に入れられるのか?といったらそんなことはありません。
恋愛系情報商材の中身
相談に来た人に恋愛系の情報商材をいくつか見せてもらったのですがヒドい内容のものしかありませんでした。
恋愛の情報商材を大きく分けると以下の3パターンに分けられます。
- 雑誌やサイトの恋愛特集を再編集したもの
- 有名な心理学の効果を紹介しているだけのもの
- 著者が偶然うまくいった方法を長々と書いているもの
特に目新しい情報は書いていないのです。それどころか大昔に広まったデマだらけです。
怪しいポップ心理学(通俗心理学)
「あるたった一つのことをするだけで」とか「このメッセージを送るだけで」という宣伝文句がありますが、そこに書いてあるのはポップ心理学(通俗心理学)です。
ポップ心理学というのは一般受けを狙うために拡大解釈された心理学のことです。
間違いではないが当てはまるケースが非常に限定される心理学的な効果ともいえます。
例えば「あるたった一つのこと」の内容としてよく書いてあるのは以下のことです。
デートでジェットコースターに乗る⇒そのドキドキを恋愛のドキドキと勘違いする
一度けなして褒める⇒相手の心に響きやすい
下の名前で呼ぶ⇒親近感を抱きやすい
などなど・・・
全く中身のないことを長々と説明しているだけなのです。
ちなみにデートでジェットコースターに乗るのは逆効果なることのほうが多いのは「付き合う前の初デートで行くと振られる場所」で説明した通りです。
「NOと言わせないテクニック」
「このメッセージを送るだけ」によく書かれているのは次のようなテクニックです。
「パスタとピザはどっちが好き?」 「パスタ」 「夜景が見える店と海が見える店ならどっちに行きたい?」 「夜景が見える店」 「良い店があるんだけど土曜と日曜ならどっちが都合良い?」 「日曜」
今や逆効果とさえ言われている「NOと言わせないダブルバインドのテクニック」という類のものです。
本当に大したことは書いていませんし、それを実践したところで恋愛が上手くいくという保証はありません。
恋愛の悩みを抱えているときは騙されやすい
情報商材によくある長々とそれっぽい文章で説明されると物凄い情報を手に入れたように錯覚してしまう人もいます。
買ってから騙されたと気づく人もいますが…
恋愛の悩みを抱えているときは役に立ちそうなものには片っ端から手を出してみたくなってしまうものなのです。
なので情報商材に騙されてしまいやすい状況にいるといえます。
しかも情報商材というのは書いた人だけではなく売った人も儲かる仕組みになっています。
例えばブログで紹介した恋愛の情報商材が売れると紹介した人に紹介料が入ります。
アフィリエイトというやつです。
このバック率が非常に高く設定されており1万円の情報商材を売ると5000円のバックが貰えることもあります。
なのでアフィリエイトをしている人たちは一生懸命に売ろうとします。
1万文字くらいの長い紹介文を見たことのある人もいると思います。
恋愛に悩んでいるときにそのような文章を読むと騙されます。
悩んでいないときは騙されることはありませんが、悩んでいるときは冷静な判断力が失われてしまうのでついつい買ってしまうのです。
恋愛の万能テクニックなど存在しない
恋愛の悩みを一発で解決してくれる万能のテクニックがあると思い込んでしまうのです。
残念ながらそのようなものは存在しません。
「心理学を悪用したテクニックでどんな異性も確実に口説ける」などと宣伝している商材もありますがそれも嘘です。
私はマイナーな学術誌に載った論文もチェックしていますが今までのところそのような研究結果を見たことはありません。(そもそも恋愛心理学と言うもの自体が存在しないのです)
仮にそのようなテクニックが発見されたとしてもそれを最初に知るのは情報商材を書いている人ではなく研究者です。
そして必ず論文が発表されますので誰かが分かりやすく解説してネットで公開してくれます。
ホストやキャバ嬢、ホステスが書いた口説きのテクニックなどもアテになりません。
そもそもそういうお店に行く客は最初から口説かれる準備をしているのですから一般の恋愛に当てはまることはないのです。
あなたが女性だとしてホストに口説かれたら落ちますか?という話です。
「時代錯誤でキモい」と思うのが関の山でしょう。
恋愛の情報商材にお金を使うくらいであれば、合コンでも婚活パーティーでも行って異性と話す機会を増やすほうが遥かに役に立ちます。
騙されないように注意しましょう。
情報商材ビジネスは不動産を貸してもらえないくらい胡散臭い
余談ですがオフィスの賃貸物件を検索すると物件ごとに「貸し出し不可の業種」が設定されています。
建物のオーナーさんが「こういう業種には貸しませんよ」と事前に断わっている業種ということです。
その中で多いのが反社会的勢力、ねずみ講、振り込め詐欺、そして情報商材ビジネスです。
不動産会社やオーナーというのは色々な業種との付き合いがあるので犯罪に巻き込まれやすい業種というのが予め分かっているのです。
そういう人達からお断わりされてしまう時点で情報商材の胡散臭さが分かるのではないでしょうか。