別れた後に新しい恋を始めたいなら「振られた」とも「振った」とも言ってはいけない

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彼氏と別れてもそれほどショックではない時ってありますね。

マンネリしたり、気持ちが冷めていたりしたら、「まぁいいか…」と。

そして、さっさと次の新しい恋に行こうとなることもあるでしょう。

「そうだ前から気になっていたあの人にアプローチしよう」などと期待しているかもしれません。

彼氏と別れたと伝えれば、相手もその気になる可能性があります。

いつまでも過去の恋愛に縛られるより、さっさと新しい行動をするのは自分の幸せのためにも良いことです。

しかし、気をつけてください。

振られたことをネタに傷ついた自分を演じて同情を引こうなどとしてはいけません。

ドラマなどでは、振られたヒロインに男友達が「俺にしとけよ」みたいな気持ち悪いセリフを言ったりするシーンがありますが…

心理学的には振られたことを次の恋人候補に伝えるのは逆効果となることの方が多いです。

振られたと知られると異性としての評価は下げられる

ミシガン大学のクリスティーン・スタニク博士らが、約200人の男女に異性のプロフィールを見せて評価させるという実験を行いました。

具体的にはプロフィールを見て、デートしたいか、付き合いたいか、セックスしたいか、といった度合いを評価するというものです。

回答した後でさらに追加情報が表示されます。そこには前回の恋人関係がどのように終わったかも記載されました。自分から振ったか、相手から振ったか、ということです。

その結果、振られたという情報が追加されると、評価が下げられてしまうことが分かったのです。

「他の人が振ったということは悪い女性なのだろう」

なぜ振られたという情報が追加されると評価が下がるのでしょうか?

パートナーの選択は動物にとって非常に重要なことです。どのような遺伝子が残せるかや、どんな未来の生活が送れるかに関わるからです。

見た目のようにすぐに判断できる部分だけではなく、性格や知性など潜在的な特性もきちんと判断しなければなりません。

しかし、この判断は非常に手間が掛かる上に間違うこともあります。

そこでどうするかというと、他の人の評価を参考にするのです。

「他の男性が良いと評価している女性はきっと良いのだろう」と考えるということです。

このような行動を「配偶者選択の模倣」と呼び人間を含む複数の動物で観察されています。

既婚者に惹かれてしまうことがあるのも配偶者選択の模倣が起こっているからです。

これは悪い評価にも応用されます。「他の人が悪いと評価している女性はきっと悪いのだろう」と考えるということです。

特に関係を終わらせる(振る)という判断は重視されます。

なぜなら、長い期間一緒に過ごし多くの情報を得たうえでの判断なので精度が高いと考えられるからです。

つまり、あなたが彼氏に振られたことを伝えると、新たな恋人候補は「元カレが色々と知ったうえで振ったということは悪い女性なのだろう」と判断されてしまうということです。

仮にあなたが振られたのだとしても、お互いに話し合ったうえで別々の道を進むことに決めたと伝えたほうが、マイナスにはならないといえるでしょう。

振ったときは伝えても良いか?

仮にあなたが振った場合であればそれを伝えても良いのでしょうか?

こちらに関しても注意が必要です。

先ほどの実験では、自分から振ったという女性のプロフィールを見た場合、男性はその女性と長期的な関係を結びたいという欲求が低下することが分かっています。

なぜこのような結果になるのか明確な理由は分かりませんが、選り好みが激しいまたは要求が高い女性と見なされてしまうことが要因かもしれません。

ちなみに女性の場合は、自分から振ったという男性のプロフィールを見た場合、性的関係を結びたい欲求が高くなることも分かっています。

選り好みできるくらい優秀なオスと判断するからと考えられます。

また、どのように別れたかについて情報を開示しない場合には、男女ともに不快感を抱くことも分かっています。

やはり、話し合ったうえで円満にお別れしたと伝えるのが最もリスクが低いようです。

参考文献:Stanik C, Kurzban R, Ellsworth P. Rejection hurts: the effect of being dumped on subsequent mating efforts.