服と恋愛に関する研究はかなり多く行われています。
よく知られているものだと赤い服を着た女性はモテるなどというものがあります。
赤色を身に着けると男性から素敵と評価されたりバーでナンパされる確率が高くなるのです。「ロマンティックレッド効果」などと言われたりします。
これは赤色が発情のサインとしてオスを惹きつけるからと考えられます。
このように服そのもののパワーによってモテることもありますが、服を着ることで自分自身の魅力が高まりモテることもあります。
いつもと同じ顔のつもりでも微妙に変化している
人間の表情は環境からの影響を受けて微妙に変化します。
嬉しいことがあったときにあなたは普段通りの顔をしているつもりでもほんの少しだけ変わっているのです。
好きな人の前だと何となく顔が緊張したり逆に緩んだりしてしまうという人もいると思います。
そして他人はそのような変化を敏感に読み取ることができます。直感が当たるのも無意識に相手の小さな表情を読み取っているからなのです。
人間は他者と社会を形成して生きる動物ですから細かい表情の違いを読み取る能力が発達してきたものと考えられます。
そしてこの小さな変化が異性としての魅力にも関連するのです。
自分の好きな服を着ると顔は変わるのかという実験
人間の表情が変わるのは楽しい出来事や悲しい出来事に遭遇したときだけではありません。
身に着けているものによっても変化します。
好きな服を着ていれば気持ちが明るくなりますし、「素敵に見えているはず」という思考も生まれますから顔も可愛くなるのです。
そして男性からの評価も高くなります。
本当にそんなことある?と思うかもしれませんがウプサラ大学のマーレ・ロームスらの実験からも明らかになっています。
好きな服を着て同じ表情で写真を撮る実験
この実験では22歳から28歳までの25人の女性に自分の持っている服の中から次の3種類を選ばせました。
- 好きな服
- 好きではない服
- 心地良い服
そしてそれぞれの服を着た状態で顔写真を撮りました。
このとき3枚とも同じ角度で同じ表情で撮るように指示しました。
服によって心理状態が変化し表情に出るのでモテる
それらの写真を49人の男性に見せてそれぞれ顔の魅力を評価させました。このとき男性には女性の着ている服が見えないようにされていました。
すると女性本人が好きな服を着ているときの顔が最も高く評価されたのです。
次いで心地よい服でした。最も評価が低かったのは女性本人が好きではない服を着ていたときの顔写真です。
男性には服が見えない状態だったにも関わらずこのような差が出たのです。
つまり女性はどんな服を着ているかによって心理状態が変化し、それが顔の表情に出るということです。
本人は3枚とも同じ表情で撮影したつもりでも顔が変わっていたのです。
同性の目を気にせず堂々と自分の好きな服を着る
余談ですが女性は服を選ぶときに同性からの目をとても気にすることが研究から分かっています。
他の女性から男ウケを狙いすぎていると思われないだろうか?などと心配するのです。
実際に色っぽい洋服を着ている女性は同性からの支持を得にくいという実験結果もあります。
セクシーな格好は「自分のパートナーを奪われる」という不安を同じ女性に与えてしまうからです。
しかし周囲の目を気にしているとたとえ好きな服を着ていても自信のなさが顔に出てしまい魅力的に見えません。
同性からの批判的な目は単なる嫉妬でしかありませんから堂々と好きな服を着てモテましょう。
参考文献:Lõhmus, M., Sundström, L. F. & Björklund, M. 2009: Dress for success: human facial expressions are important signals of emotions.