恋愛の悩みを抱えたときに多くの人がネットで検索をします。
すると複数のライターが書いた記事を集めたキュレーションサイトや質問サイト、掲示板などが表示されます。
しかしそれらの内容が恋愛の悩みを解決してくれるケースは少ないです。
なぜならネット上に公開された文章の多くは悩みを解決するために書かれたものではないからです。
恋愛の悩みに限らずネット上に溢れる文章の目的は以下の3つに分類することができます。
- 広告収入のために検索上位を狙う文章
- 自己顕示欲を満たすための文章
- ブランディングのための文章
掲示板やキュレーションサイトは恋愛に悩む人の役に立とうと思って書かれているのではないのです。
薄い内容の長文が量産される理由
恋愛の悩みについてGoogleで検索したとき1ページ目に出てくるサイトを見て違和感を覚えることはないでしょうか?
文章が異常に長すぎるわりには内容が薄いとか、どのサイトもほとんど同じようなことを書いているという感覚になりませんか?前文が長すぎてイライラすることはありませんか?
なぜこのような文章になってしまうのかというとそれを書いた人たちは恋愛で悩む人の役に立ちたいと思って書いているのではなく広告収入や原稿料を得るために書いているからです。
広告収入を得るためには記事の閲覧数を増やす必要があります。閲覧数を増やすためにどうすれば良いかというと検索されたときに最初のほうに出てくるようにすれば良いのです。
勘違いしている人も多いですが検索エンジンは内容が正しいからとか皆がクリックしたからといって上位に表示されるわけではありません。
どのような記事が上位に表示されるかというと検索エンジンの基準に適合しているものです。何百もの基準がありそれらに最も適合した記事から順に表示されるのです。
その基準のひとつに「文章の長さ(正確には関連単語のバラエティの多さ)」というものがあります。同じような内容であれば1000文字の記事よりも2000文字の記事の方が上位に表示されやすいと言われています。
そのため薄い内容を無理矢理ふくらませたような無駄に長い記事が増えているのです。
どのサイトも同じような内容になっているのにも理由があります。
それは新たに記事を書くときはそのテーマですでに上位に表示されている記事を参考にして(というより盗用して)書くからです。
例えば検索したとき1番目から5番目までに表示されるサイトの内容を合体させて記事を書けばその時点で最も内容が充実した記事を作ることが出来ます。
それを投稿すれば数ヶ月後には上位に表示されるようになります。
そしてしばらく経つと同じことをする人が出てくるということが繰り返されるので文章がどんどん長くなっていきます。
当然ですが内容もほとんど同じような記事が量産されることになります。薄まったカルピスをさらに薄めて量だけは増やした状態と同じです。最後の段落を「いかがでしたか」で締めくくる文章はたいていこのパターンで作成されています。
これは検索エンジンに問題があるわけではありません。検索エンジンは常に役立つ情報を上位に表示させるためにシステムを改善しています。
しかしその裏を突いてどうすれば上位に表示させることが出来るのかを研究している人達が大勢いるのです。いたちごっこの状態になっているのです。
他とは異なるテーマで書けば長い文章を書く必要がないのではと思うかもしれません。
確かにその通りなのです。誰も書いていない内容であれば短い文章でも簡単に上位に表示されます。
ではなぜ皆が同じテーマで書きたがるのかというと検索される回数の多い内容を狙っているからです。
一ヶ月に100回しか検索されないテーマで1位に表示されるよりも10,000回検索されるテーマで5位か6位くらいに表示された方が閲覧される機会は多くなり広告をクリックしてもらえる回数も増えるので儲かるのです。
数年前に『WELQ』というキュレーションサイトの内容が正確性に欠ける内容の記事が多いということで閉鎖に追い込まれました。
現在も大手企業が運営しているキュレーションサイトで誤った内容を記載した記事は少なくないのですが堂々と運営されています。
特に心理学に関する内容は間違いが非常に多いので注意してください。(キュレーションサイトではありませんがWikipediaでも心理学の関連項目は間違いが多いです)
キュレーションサイトの記事を書いている恋愛ライターのような人たちは検索順位を上げる知識はあっても恋愛に関する知識はないということを頭に入れておきましょう。
恋愛相談の掲示板に回答するのは自己顕示欲を満たすため
ネットで検索して自分の悩みを解決してくれそうな記事が見つからないと恋愛相談の掲示板に質問を投稿する人もいます。
このような掲示板に投稿してもありきたりなことや回答者の独りよがりな長文が上から目線で返ってくるだけです。
自分の知識が有益なものだと分かっている人はネット上でアカの他人に無料でアドバイスなどしません。
有料で寄稿するか自分のサイトで書きます。
原稿料がもらえるわけでも自分の宣伝になるわけでもないのに掲示板に長文のアドバイスを書き込む人というのは自己顕示欲が満たされていない人です。
なぜ満たされないかというと周囲の人から求められていないからです。
仮に頻繁に友達から恋愛相談をされるような人は掲示板で恋愛相談に乗ろうとは思いません。
普段から自分の意見を表明する機会のない人が恋愛相談の掲示板に回答を書き込むのです。
また自尊心の低さを他人の役に立ったと思いこむことで回復させようとする人もいます。
これをメサイアコンプレックスと言います。このタイプの人は困っている人を見るとワクワクしてしまうのです。
なぜなら自分よりも不幸な人を助けることで自分は幸せなのだと思い込むことができるからです。
このような人が掲示板で回答するという行為に出ることがあります。
身近な人からさえ意見を求められない人のアドバイスが役に立たないのは当然です。
彼らは相談者のためではなく自分の欲のために書いているのです。
自分自身に置き換えて考えてみてください。
あなたが恋愛経験豊富でどんな相手とでも上手くやれる人間だったら恋愛相談の掲示板など見ようと思わないはずです。
ブランディングのためのサイト運営
ここまで「ネット上にあるアドバイスが役に立たない」という意見をネット上で主張するという矛盾した行為をしてきたわけですが……
私もネット上にかなりの数の文章を投稿しています。
もちろん全ての記事を自分のサイトつまり自分がサーバーとドメインを管理しているサイトで公開しています。
なぜ私が記事を公開しているかというとブランディングのためというのが最も大きいと思います。
広告を表示させていないサイトで記事を書いている人の多くは同じ目的ではないでしょうか?
自分はこれまでこのような問題を解決してきたとかこんな知識を持っているということをこれから恋愛カウンセリングを受けようと思っている人に知らせるために記事を書いているのです。
そうすることによってミスマッチを防ぐことができます。
同じ恋愛のカウンセリングでもカウンセラーによって手法や考え方はそれぞれです。
そして相談者の求めるものも異なります。中には占いや霊的なものを求める人もいるのです。
そういう人が私のところに来たら期待ハズレと思ってしまうでしょう。
このようなミスマッチを防ぐために様々な記事を書いて自分の主張を伝えているのです。
もちろん読んだ人の役に立って欲しいという思いもあります。役に立たない文章しかなければ自分の評判が落ちますから当然です。
しかし読んだ人全員の役に立てるとは思っていませんし読んだだけで悩みが解決するなどというおこがましいことも思ってはいません。
同じような恋愛の悩みでも状況によって解決策は異なるのですから全てを一般化することはできません。
悩んでいる人のヒントや別の視点を持つきっかけになればという思いが強いです。
有料でサーバーをレンタルしてドメインを取得してサイトを運営している人は自分のための目的を持っているはずです。
私も困っている人を助けるためだけにサイトを運営しているというつもりはありません。仮にそんなことを言っていたら信用されないでしょう。
ネットで悩みを解決しようとする人は批判する目を持ってください。
もしかしたらこのサイトに書いてあることも間違いだらけかもしれないのです。
また長文になってしまいました……
薄めたカルピスになっていないことを祈ります。