彼氏への依存を治す方法は認知の歪みを矯正することです

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ネットに書いてある「彼氏への依存を治す方法」はだいたい嘘です。

彼氏への依存を治す方法として「友達と遊ぶ、習い事をする、趣味を持つなどが効果的である」と書いてある記事がありますがこのような情報を信用してはいけません。

カウンセリングをしている人間ならばそれらの対処法では解決しないということは分かります。

他のことに集中するというのは依存心を一時的に逸らすためには役に立ちますし実際に私もそれを提案します。

しかし彼氏への依存を根本から治すにはほとんど効果を発揮しないでしょう。骨折した人に湿布を貼っているようなものです。

それで治るくらいであればそれは依存ではなく単に舞い上がっているだけです。時間が経過して恋愛ホルモンと呼ばれるフェニルエチルアミンの分泌が治まれば落ち着きますから安心してください。

あなたが彼氏に依存してしまう原因は自分自身の心に問題を抱えているからです。

ですからそれを心のトレーニングによって根本的に克服しなければ抜け出すことは出来ないのです。

気の持ちようを変えたり自分磨きに没頭して解決できる問題ではありません。

どこの誰が書いたか分からない「彼氏への依存度診断チェックリスト」のようなものも信じてはいけません。

彼氏に依存する女性の特徴

彼氏に依存する女性は常に一緒にいたいと思います。離れているときは少しでも連絡がつかなくなると不安になります。

「他の女性と浮気しているのではないか」「自分のことを嫌いになってしまったのではないか」と不安な妄想を膨らませ続けます。

会っていないときはネガティブな感情に押しつぶされそうになってしまうのです。

夜中に目が覚めて彼氏に捨てられるのではないかという不安に駆られることもあります。

彼氏に依存する女性の特徴

彼氏に依存している女性は彼氏に関する情報は全て知っていないと落ち着きません。仕事のスケジュールや休日の予定などありとあらゆる情報を手に入れたいと思うのです。

SNSのチェックは当たり前で場合によっては裏アカウントを使って彼氏に接触している女性もいます。そして新しい投稿がないか頻繁にチェックしてしまうのです。

依存が強まると全てにおいて彼氏を優先するようになります。友達から遊びに誘われても彼氏から会いたいと言われるかもしれないと思うとスケジュールを空けておきたくなってしまうのです。

場合によっては彼氏と会うために友達との約束をドタキャンすることもあります。自分のために時間を使うという発想がなくなります。

髪型や洋服も彼氏の趣味に合わせます。自分がどんなファッションをしたいかではなく彼氏がどんなファッションをして欲しいかという基準でしか選べなくなるのです。

その他に何かを決めるときも彼氏に相談してからでないと決められなくなりますし、自分で出来ることでも彼氏にやって欲しいと思います。

彼氏との結びつきだけが自分の存在を定義するものになってしまっているのです。

ですからそれを失うことは自分を失うような恐怖に結びつきます。

恋人との恋愛関係に限らず人間が何かに依存してしやすくなるときの条件の一つに感情の振れ幅というものがあります。

平穏な状態から嬉しいことがあるよりも不安な状態から嬉しいことがあったほうが感情が大きく動くので依存しやすくなるのです。

特定の行動により脳内の報酬回路が活性化されやすくなっているのです。気持ちが揺れれば揺れるほどに依存は強化されてゆきます。

問題のある男性に依存することもある

問題のある男性

依存しやすい女性の中には問題を抱えた男性を好きになってしまう人もいます。

問題というのは無職、ギャンブル、借金、暴力、モラハラ、ナルシストなどです。

なぜこのような問題のある男性に惹かれてしまうかというと自分の問題に向き合わなくて済むからです。

相手が大きな問題を抱えていればそれに対処しようとすることによって自分の問題からは目を逸らすことができます。

またこのタイプの女性は自分に魅力がないと思っているので「まともな男性には相手にしてもらえない」とか「付き合ったとしてもすぐに捨てられる」という思い込みもあります。

その点についても問題のある男性であれば自分を見捨てるようなこともないだろうという安心感をもたらしてくれます。

問題のある男性からでも必要とされたりその男性の問題を一緒に解決することが自分の存在価値であるかのような錯覚に陥っているのです。

彼氏のために行っているように見える行動でも潜在意識レベルでは自分のために行っているのです。必要とされることを必要としている状態です。

この関係を失ってしまうということは自分の存在理由を失うようなものですから依存してしまうのです。

ダメな相手と頭では分かっていても感情の部分では離れることが出来ないのです。

自分の父親が問題を抱えているタイプだった場合に敢えてダメな男性を彼氏にすることがあります。

それはダメな彼氏の愛情を獲得することが子供時代の再チャレンジになると潜在意識で考えているからです。

彼氏に依存してしまう原因

彼氏に依存してしまう原因は自己肯定感の低さや他者への信頼感の低さです。

これらは愛着形成の問題やトラウマによって引き起こされます。

彼氏に依存する原因

子供時代の愛着形成の問題

人間は生まれたときに最初に親密になる養育者(たいていは母親)から無償の愛情を受けることによって「自分は愛されるべき存在である」と知り自己肯定感を育みます。

子供が母親を特別な存在とみなすことで母子間に深い絆が生まれます。これを発達心理学では「愛着」と呼びます。

最初に母親との間に愛着を形成することでそれ以外の人とも愛着を形成できるようになるのです。そしてさらに愛されて自己肯定感を高めます。

愛着の形成が上手くいかないと自己肯定感が低いまま大人になり恋愛において依存傾向を見せることがあります。

他者から必要とされることで自分の存在価値を認識したいという潜在欲求があるからです。

愛情をもらえなかった子供時代のやり直しをしたいという願望が潜在していることもあります。そのときの身代わりとして彼氏を選んでいるのです。

また最初に親密になるべき相手から裏切られると「他人は裏切るもの」という認識を強めることになり他人を信用できなくなります。

そのため「彼氏もいつか裏切るだろう」という見捨てられ不安が生じ依存してしまうのです。

愛情が不足していた場合だけではなく親の過保護によって「独りでいられる能力」が育たずに大人になってからも常に誰かと一緒でなければ不安になってしまうというケースもあります。

過去の恋愛のトラウマ

愛着形成に問題がなくてもトラウマによって依存体質になってしまうことがあります。

いじめられた体験や過去の恋愛によって深く傷ついたり裏切られたりすることで彼氏に依存するのです。

他者からの愛情によって自分を癒したいという思いと捨てられる苦しさへの恐れが共起しているのです。

「過去の彼氏には依存しなかったのだから私は愛着の問題もないしトラウマもない」と思う人もいるかもしれません。

今の彼氏にだけ依存してしまうという場合はその彼氏が自分の欠けている部分を補ってくれるため安心感を得ている可能性があります。

彼氏の中に自分を愛してくれなかった親の影を見出していたり特定の言動に脳が強く反応しているのかもしれません。

洗脳

ここで説明した原因以外のものとしては洗脳が考えられます。

例えば出会ったばかりの頃はマメに連絡をくれたり優しくしてくれたのにしばらくすると急に素っ気なくなり時々しか愛情を与えてくれなくなると相手に完全に落ちてしまいます。

人間でもネズミでもそうですが動物は毎回ご褒美がもらえるよりも時々しかもらえない時のほうがハマってしまうのです。

これを心理学で「間歇強化」と言います。パチンコなどのギャンブルは時々しか勝てないからハマるのです。

DV夫を見捨てられない妻も同じです。暴力のあとの優しさの中毒になっているのです。

するとやがて暴力そのものが優しさへのシグナルとなり殴られている時点で脳内の快感を認識する部位が反応してしまうこともあるのです。

こうなるとパートナーの言うことを拒否することが出来なくなります。借金をしまで貢いでしまうこともあります。

こういった心理テクニックはカルト宗教やネットワークビジネスで頻繁に利用されています。

人間というのは自分で思っている以上に洗脳されやすいものなのです。

彼氏に依存しているときというのは占いやカルト宗教に洗脳されやすいときでもありますから気をつけなければなりません。

彼氏への依存を治す方法

彼氏への依存を治すためには自分の心を強くする必要があります。

なぜ弱いかというと物事の捉え方が偏っているからです。心理療法の言葉で言うならば認知が歪んでいる状態です。

認知の歪み

彼氏への依存を治すためにまずは認知の歪みというものを認識してください。

例えばあなたが買ったばかりの新しい洋服を着て会社に行ったとします。

そのとき遠くの方で同僚が笑っているのが見えたとします。このとき「変な洋服を着ていると笑われた」と思ってしまう人がいます。これが認知の歪んでいる状態です。

本当は「すごく素敵ね」という笑顔かもしれませんし単に会えて嬉しいから笑ったのかもしれないのです。このシチュエーションではそれらの可能性のほうが高いはずです。

それなのにネガティブな方向に考えてしまうのです。

これは自分に対する誤った信念が引き起こす思考です。「自分は価値がない」という信念を持っている人は物事を悪い方向へ考えてしまうのです。

あなたが彼氏に依存してしまうのもこの認知の歪みのせいなのです。

「私は愛される価値がない」「いつも見捨てられる」という信念が彼氏のちょっとした言動を大げさかつネガティブに捉えさせるのです。

少し連絡が取れないだけで浮気をしていると疑ったり、自分の望む愛情表現をしてもらえなかっただけで嫌われたと考えて落ち込むのです。

こういった信念は生まれつきの気質に加え子供時代の愛着や今日までの体験によって形成されます。

自分の思考を生み出す元となっていることを認識することは少ないですからいつまでも思考を変えることが出来ないのです。

トレーニング

依存から抜け出せる強い心を手に入れるための具体的なトレーニングについて説明します。その方法とは紙に思考のフローを書き出して少しずつ変化させることです。

例えば彼氏が飲み会に行って不安を抱えているという状況を考えてみましょう。次のステップに沿って書き出してください。

1.出来事・状況
彼氏が仕事関係の飲み会に行った。女性も参加しているらしい。連絡したが返信がない。

2.感情・思考・根拠
寂しい。悲しい。不安。飲み会に素敵な女性がいてその人に彼氏を奪われてしまったらどうしよう。もしかして既に二人きりになっているから返信してくれないのかな。
そういえば最近はあまり「好き」と言ってくれなくなった。連絡も素っ気ない気がする。

3.反論・他の考え方・感情
今までも女性のいる飲み会に参加しているけれどちゃんと帰ってきたし浮気をすることもなかった。上司や取引先もいる中で返信するのは難しいのだから仕方がない。
「好き」と言わなくなったのは言わなくても分かるだろうという安心感が出来てきたからだろう。そう考えると寂しさと不安が少し治まった気がする。

このように思考を見直し他の考え方も検討することで少しずつ変化が表れます。

なぜなら他の考え方を脳の中で作ることにより普段は使われないネットワークが使われるからです。

他の考え方が浮かばない人は他の女友達が同じ状況に置かれたらどう考えるだろうか?と想像してみると浮かびやすくなります。

最初は他の考え方にしっくりこないかもしれませんがそれでも大丈夫です。継続しているうちに強化されてくるのです。

「他の考え方はできないかな?」と検討することが非常に大切なことなのです。

彼氏への依存を治す方法

継続することと信じること

上記で説明した方法を試しても何も変わらないような気がする人もいると思います。しかし最初はそれで良いのです。

自分の心を変えたいと願っている人の多くは「新しい考え方を知ればすぐに悩みが解決する」という思い込みを持っています。

だからネットで何度も同じようなことを検索しては文章は多いけれど内容は薄い記事を彷徨うのです。

脳も肉体の一部である以上はすぐに変えることは難しいのです。ダンベルを持ち上げた瞬間に筋肉がつかないのと一緒です。

継続的に新しい考え方のトレーニングをしなければ変わらないのです。特に彼氏への依存のように根深い問題はすぐには変えられません。

変わらないからといってすぐにトレーニングを止めてしまう人が多いのですがそれでは永遠に依存状態から抜け出すことはできません。

また「本当に変われるのだろうか?」と疑いながらやるよりも「絶対に変われる」と信じてやることが大切です。

普段は使わない思考のネットワークを使うことで本当につながりやすくなるのです。

脳内でいつもとは違う部分を光らせているようなイメージで行ってみてください。やがてそこが本当に発火するのです。

認知の歪みを治す方法は恋愛においてだけではなく仕事においても使えます。

自分に自信のない人は仕事においても「自分は仕事が出来ない」と思い込んでいることがあります。

そういったネガティブな思考が生まれたときもその流れを紙に書き出して点検し他の考え方を持つことで変わるのです。

彼氏への依存から脱却するためには自分自身の心の歪みを直さなければなりません。恋愛以外の場面においても自信を失いそうなときは思考を見直してください。

彼氏との関係を絶つべきかは人によって異なる

アルコール依存症などの治療は原因となるものを絶つことから治療が始まります。

彼氏への依存を治す場合も彼氏との関係を絶つことからするべきなのでしょうか?

これは人によって異なるとしか言えません。そもそも彼氏自体には問題がないのであれば関係を切る必要はありません。信頼できる彼氏があなたの安全基地の役割を果たし依存からの回復を早めてくれることもあります。

ダメ男タイプの場合は早々に関係を切るべきですし連絡先も消して思い出の品も廃棄するべきでしょう。

基本的にはそこからスタートとなります。ダメな彼氏への依存を治す第一歩は関係を切ることです。私もカウンセリングではそのように提案しています。

しかし女性によってはもう二度と会えないと思うことで余計に執着してしまうということがあります。

思い出の品についてもいつでも触れるところにあるという余裕があることで執着せずに済むということもあります。

ですから自分がどのようなタイプなのか見極めてから彼氏も思い出の品も捨てたほうが良いでしょう。

友達に相談するときは謙虚な気持ちになる

友達に恋愛相談

彼氏に依存しているとき友達に相談することもあると思います。このときに多くの女性がやってしまう失敗について説明しておきます。

まず彼氏に依存している人が友達に相談するときの内容は聞いている側を非常に疲れさせます。

ですから相談に乗ってもらうだけでもありがたいことだと思わなければなりません。謙虚な気持ちを持ちましょう。

問題のある彼氏に依存している場合は友達から反対されるでしょうがそのときに逆上するなどはとんでもないことです。

彼氏に会えない辛さに耐えかねて友達に頻繁に連絡をしてしまうこともあるかと思いますが相手から負担に思われ距離を置かれることもあるので気をつけなければなりません。

また依存している女性によくある思考パターンとして彼氏の悪口を聞くと「彼氏は本当は良い人なのに勘違いされているだけ。分かってあげられるのは私だけ」と思ってしまう人もいます。

このような誤った思考は依存を強化するだけですから自分がそのパターンに陥っていないか確認する必要があります。

友達に話しを聞いてもらうことによって落ち着いたり自分の思考を整理することが出来ることもあります。

しかし場合によっては逆効果となってしまうこともありますから気をつけなければなりません。

彼氏に依存しているというのは正常な状態ではないということを認識してください。自分を過少評価し彼氏を過大評価しているのです。

しかし認知の歪みを正すことによって依存度を低下させることは可能です。

自分は変われると信じて思考と心のトレーニングを継続することが大切なのです。

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