結婚前に確認しておくことはたくさんあります。
子供はどうするか、将来の親の介護や同居の有無、お互いのキャリアプラン、借金、宗教、国籍など一生に関わることですから細かにチェックするでしょう。
しかし結婚生活において非常に大事なことにも関わらず見落としている人が多い事柄があります。
それは「状況の認識の類似性」です。これが合っていないとストレスの多い結婚生活となります。
状況の認識の類似性とは?
状況の認識の類似性とは簡単にいうと、一緒に見ている目の前の物事を同じように理解しているかということです。
例えばお風呂の浴槽に水垢が出てきたとします。
このときあなたは「汚れてきたから掃除しなければ」と感じても彼氏は何も感じないかもしれません。この状態は状況の認識が異なっているといえます。
他にも夕食に使った食器を翌日まで洗わない状態をどう思うか?外から帰って洋服を叩かずに室内に入ることをどう思うか?など共有された状況を認識する機会は様々な場所で出てきます。
結婚生活においては価値観よりも大事
結婚生活において状況の認識の類似性は価値観が同じこと以上に大事かもしれません。
なぜなら生活に直結しているため1日の中で何度もそれを試される機会があるからです。
同じ映画を見てどう思うかは価値観によるものですが、脱いだ服を床に置きっぱなしにして気になるかどうかは状況の認識によるものであることからも、どれだけ生活に密接したものか分かると思います。
状況の認識が異なるとストレスだらけの結婚生活に!
状況の認識が異なるとミスコミュニケーションや誤解が生まれそれがストレスにつながります。
人間は親しい相手に対して思考や感じ方が自分と同じだろうと思い込むバイアスを持っています。
つまり散らかっているのに片付けていないと「散らかっていると分かっているのにどうして片付けないの?」とイライラしてしまうのです。
相手がその状況を散らかっていると認識していないことには気づけないため「分かっているのにやらない」「何でも私に押し付ける」と感じてしまうのです。
恋愛感情があるときは気にならないけれど…
恋愛感情があるときは状況の認識が異なっていてもそれほど気になりません。
しかし結婚して何年かすると恋愛感情は治まるものです。ホルモン分泌が変化するのですから仕方のないことです。
そしてそのときにイライラし始めるのです。それが1日に何度もあればストレスが溜まり「この結婚は失敗だわ」と思ってしまうこともあります。
子供が生まれたあとは余計にそうなりやすいです。
彼氏のことがどんなに大好きでもやがてその興奮は治まるのですから結婚前に必ず状況の認識がどれくらい合っているか確認しましょう。
結婚前に分かったらどうする?
一緒に住んでいなくても状況の認識を確認する機会はたくさんあります。
外にあるベンチに躊躇なく座れるタイプか?レストランで食事するときに手を洗わなくても気にしないタイプか?など確認のチャンスは多いのです。
部屋が綺麗かどうかといった取り繕いやすい部分よりも無意識に出る部分を確認しましょう。
結婚前に「どうやら状況の認識が違うようだ…」と分かったらどうすれば良いでしょうか?その場合は彼氏の柔軟性を確認しましょう。
目の前の状況をどう認識するかは生まれつきのものもありますが育った環境に拠るところが大きいです。
散らかっている家庭で育てば物が散乱していても気になりませんし散らかっていると認識できません。それは仕方のないことです。
問題はあなたがそれを不快に感じていると伝えたときに改善してくれる相手かどうかということです。
そういった柔軟性を持った相手であれば一緒に生活していく中で状況の認識は合っていくものです。
状況の認識が合っているカップルは関係への満足度が高いということがベルリン心理学大学などの調査でも判明しています。
幸せな結婚生活のためにもきちんと確認しておきましょう。
参考文献:Similarity in Situation Perception Predicts Relationship Satisfaction.