タイプじゃない人のことが何だか気になる…。というか好きになってしまった。
このようなシチュエーションには自分でも驚くかもしれません。
しかし、タイプじゃない人を好きになるのは珍しいことではありません。
そもそも異性のタイプはあってないようなものですし、あなたの精神状態によっても変わるからです。
また、映画の登場人物に影響されることもあり得ます。
「好きなタイプ」はあってないようなもの
恋愛対象としての好きなタイプは安定していることが分かっています。
10年以上経ってもそれほど変わらないのです。
変わるにしても、年齢が上がることで見た目やステータスへのこだわりが減るとか、ライフイベントによって自分都合の良い手を選ぶようになるといった現実的な要因です。
とはいえ「好きな人のタイプの女性から外れていても恋愛対象として見てもらえるか?」の記事でも説明したように、タイプというのはあってないようなものです。
あなたの「条件リスト」に挙がっていなくとも、一般的に良いとされる特徴を持っている異性のことは高評価するようになっているのです。
つまりあなたが自分で認識しているタイプでなくとも、素敵な人なら好きになるのは自然なことです。
文化的価値観の影響により好きなタイプが変わる
例えば、映画『ワイルド・スピード』でドウェイン・ジョンソンの活躍を見た後に、マッチョな男性が良いなと思うことはないでしょうか?
このように異性のタイプというのは文化的価値観などの影響を受けるものなのです。
欧米や日本では細身から標準体型の女性がモテる傾向にあります。(シンデレラ体重まで落とすとモテませんが)
これも文化によって形作られた価値観といえます。
なので欧米の文化に触れる機会のないエリアに住む民族では太めの女性が人気だったりもします。脂肪は豊かさの象徴だからです。
そのような場所でもテレビが普及すると欧米的価値観の影響を受けるので、男性の好みは細身の女性へと変化することが、ダラム大学の研究者たちの調査で判明しています。
あなたの女友達がみんなエリートと付き合い出したら、それまでイケメンにしか興味がなかったとしても、ステータスの高い人に惹かれる可能性はあるということです。
精神状態によっても好きなタイプは変わる
男性でも女性でも精神状態が好きなタイプを変えることがあります。
例えばストレス状態にある男性ほどぽっちゃり女性を好きになりやすいことが実験で分かっています。
ふくよかな体型に安心感を求めるからです。
不確実性に直面した時も好きなタイプが変わります。
災害や金融危機など先の見えない状況で不安になると、男女ともに好きな顔が変わることがアムステルダム自由大学のフェムケ・ファン・ホーレン教授らの実験で分かっています。
女性は厳しい顔の男性に惹かれるようになり、男性は優しい顔の女性に惹かれるようになるのです。
不確実性に直面すると自分の弱さを認識するので、強さや優しさを求めるのです。
新しいタイプと付き合ってみるのも面白い
タイプは変わりにくいとはいえ、10代から20代は自分自身もっ急速に精神的な成長をします。
それによって相手の表面的な部分を見るだけではなく、より総合的に判断するようになります。
また元彼が最悪な人間だった場合にそれと遠いタイプを選ぶようになることもあります。
似ている人には元彼を投影してしまい嫌な気分になるからです。
このようにタイプじゃない人を好きになるのは珍しいことではないのです。
たまには新しいタイプと付き合ってみるのも面白いかもしれません。
<参考文献>
・Boothroyd, Lynda G, et al. (2019). Television consumption drives perceptions of female body attractiveness in a population undergoing technological transition.
・Femke van Horen, Kobe Millet. (2022). Unpredictable love? How uncertainty influences partner preferences.