異性の友達と一緒にいるうちに、やがて恋愛感情が芽生えることもあります。
お互いの良い面も悪い面も知ったうえで、好きという気持ちになったということは、それこそ本物の愛情なのかもしれません。
とはいえ何年も友情を育んできた相手と今さら恋人になることはできるのでしょうか?
今回は友達から恋人へと発展させるための方法について、研究を基に説明します。
友達関係が長いと異性として意識できない?
友達としての関係が固定化してしまっていると、異性として意識できなくなるのではと心配するかもしれません。
しかし、友達から恋人関係となるケースはかなり多いです。
ビクトリア大学のダヌ・アンソニー・スティンソン教授らの分析では、カップルの約3分の2は友達からスタートしていることが判明しています。
しかも、ほとんどの人が「やがては男女の仲になりたいな」という願望を持って友達になったわけではないのです。友達として過ごしているうちに愛が芽生えたのです。
また、約半数(47%)の人たちが、まずは友達として出会ってから恋人になることが望ましいと考えていることも分かりました。
なので今の段階で脈ナシだからと諦める必要はありません。
友達を恋人へと発展させる要因
どのような要因が、友達を恋人へと発展させるのでしょうか?
それを調べた、セントラルフロリダ大学のヴァレリー・アクブルットらの調査があります。
友達と付き合いたいという気持ちを起こさせる、プラス要因とマイナス要因を分析しています。
それぞれ以下の通りとなっています。
付き合いたいと思わせる要因
異性の友達と付き合いたいと思わせる要因は、魅力的なこと、友情の質が良いこと、メリットがあることです。詳しく説明しましょう。
魅力的なこと
ここでいう魅力とは身体的なものを意味します。
つまり友達から見てあなたが可愛いとか美人と思われているなら恋人になりやすいということです。
これが友達から恋人へと発展するための最も大きな要因でした。
友情の質が良い
現在の友達としての関係がうまくいていることも恋人にしたい気持ちになりやすい要因です。
具体的には嬉しいことがあったときに報告する機会や、精神的なサポートをする機会が多いと友情の質が良いといえます。
メリットがある
付き合うことでどのようなメリットが得られるかも大切な要因です。
楽しい時間が過ごせそう、親密になれそうという期待があると恋人に発展しやすいです。
メリットには性的満足度が得られそうなことも含まれます。
反対に、友情を失う、最終的に傷つけてしまうといった不安があると恋人にはなりにくいです。
付き合いを躊躇させる要因
次に、これがあると付き合いに二の足を踏んでしまうという、マイナス要因についてです。
これには、自分にパートナーがいること、周囲からの否定的な反応があります。
自分にパートナーがいる
当然のことですが自分に恋人がいるときは、友達と付き合いたいという気持ちにはなりにくいです。
浮気する男の特徴についての記事でも説明しましたが、パートナーがいるときの脳は他の異性の魅力を低く評価する傾向があります。
周囲からの否定的な反応
周囲から否定的に見られるかもしれない、という心配も友達と付き合うことを躊躇させる要因です。
同じ職場やクラス、サークル内のような狭い人間関係の中で恋愛すると気まずさを感じることもあります。
また、相手のことを他の誰かが好きだということを知っている場合や、元彼が同じコミュニティ内にいる場合なども、踏み切れない理由となります。
友達から恋人へ発展させるためにすべきこと
以上の分析から、あなたが友達と恋人になるための戦略が見えてきます。
やるべきことは以下の4つです。
1.自分の魅力を高める
恋愛において見た目は大切な要素です。「でも自分の見た目はイマイチ…」と思うかもしれませんが大丈夫です。
髪型、メイク、ファッションである程度は何とかなることもあります。それに9ヵ月以上一緒にいるとルックスがイマイチでも気にならなくなるという研究もあります。
最低限の清潔感を心がけ、嫌でなければ多少は相手の好みに合わせても良いでしょう。
2.一緒にいると楽しいと思わせる
友情の質を高めることで相手の付き合いたいという気持ちも高められます。
そのためにはポジティブな情報を共有しましょう。悪口やネガティブな情報を発信すると「自発的特徴変換」という心理学の効果によってあなたの印象が悪くなります。
大変なときに心の支えになることも大切です。しかしアピールのために心配しているフリをするのはやめましょう。雰囲気でバレます。
難しく考えなくても今まで通りに、あなた自身が友達との時間を楽しめば良いのです。そのままで友情が続いてきているのですから、それが正しいということです。
3.恋人として付き合っても楽しいと思わせる
友達の理想とする付き合い方に共感できる部分があるなら、さり気なく伝えましょう。
友達としての相性も良いけれど、恋人としての相性も良いと思わせるのです。
また、恋人同士となって上手くいかなかったとしても、後腐れなく元の友達関係に戻れるという雰囲気も作りましょう。
4.周囲からの反応に対する不安を取り除く
周囲の人間からの反応が気になって恋人に発展しないということもあり得ます。
他に付き合っているカップルがいるなら、コミュニティ内での恋愛がタブー視されているわけでないということを理解させる必要があります。
そうでなければ、コッソリ付き合うことも可能であると思ってもらえば良いのです。
セフレになってしまうリスクを避ける方法
男女間の友情は一歩間違えるとセフレ化することもあります。そうらなないよう、先に体の関係を持ってしまうことは避けましょう。
今回の研究でも、友達からセフレになるパターンも分析しているのですが、やはり魅力を感じるとセフレにもなりやすいことが分かっています。
一方で、友情の質が高いと感じると、恋人になりたいとは思っても、セフレになりたいとは思わないことも分かっています。
せっかく友達として上手くいっている関係を、中途半端に肉体関係を結ぶことで壊したくないという心理が働くからです。
セフレ化しないためにも、恋人になるためにも、友情の質を高めるのは有効といえます。
参考文献
Danu Anthony Stinson, Jessica J. Cameron, and Lisa B. Hoplock.. (2022). The Friends-to-Lovers Pathway to Romance: Prevalent, Preferred, and Overlooked by Science.
Valerie Akbulut & Harry W. Weger. (2015). Predicting Responses to Bids for Sexual and Romantic Escalation in Cross-Sex Friendships.