何気ない言動で彼氏を傷つけたとき、謝罪をしてその時は収まったはずなのに、その後すぐに彼氏から振られてしまうことがあります。
謝罪をして解決したように見えても、別れたくないなら、他にもやらなければならないことがあるのです。
まずは彼氏を傷つけるという行為が女性が想像している以上に浮気や別れにつながりやすいということを知りましょう。
本来は恋人がいるとき他の異性を低評価する
誰かと付き合っているときは他の異性に興味を持ちにくいといわれています。
顔の魅力を評価する実験でも、恋人のいる人は異性の魅力を低く評価することが分かっています。
「Perceptual Downgrading(評価の切り下げ)」という心理効果が発生するのです。
現在の恋愛関係を強固にするための防衛的な機能といえます。
しかし、この効果が起こらないタイミングがあります。
それが恋人から傷つけられたときです。傷つけられたことを思い出すだけでも危険なのです。
恋人に傷つけられたとき他の異性を求める
恋人に傷つけられたとき、他の異性への渇望の度合いがどう変化するか調べた実験があります。
ライマン大学のグリット・E・バーンバウム教授らが行ったものです。
傷ついたことを思い出すと他の異性を魅力的と評価する
この実験ではまず、過去に恋人から傷つけられたときのことを思い出させました。
その後で異性の写真を評価させたところ、魅力的と考える傾向が強いことが分かりました。
「Perceptual Downgrading(評価の切り下げ)」が起こらなかったのです。
また恋人への性欲が減るのに対し、他の女性へのそれは増えることも分かっています。
困っている異性を助ける(恋愛感情が芽生えやすい)
次の実験では、困っている異性を助けるかどうかを確かめました。
恋人に傷つけられたことを思い出させた後で、サクラの女性と推論力を問うテストを受けました。
テストの途中で女性から、分からないところを教えて欲しいといわれます。このときサポートにどれくらいの時間を使うか?どれくらい丁寧に教えるか?を調べました。
するとやはり、傷つけられたことを思い出したことで、より長く丁寧にサポートすることが分かりました。
異性を助けるという行為は恋愛につながりやすいものです。なぜなら脳で「好きでもない人を助けるのはおかしいぞ」という認知的不協和が起こるからです。
その不協和を解消するために「助けたということは好きなのだ」と認知を変えるのです。
恋愛感情や性的欲求を感じたときの仕草がでる
傷つけられた経験が他の異性への積極的なアプローチにつながることも分かっています。
魅力的な異性と会話をさせる実験では、無意識に誘惑的な微笑み、突き刺すような視線、自分の体を撫でる、頭を片側に傾けるといった行動が増えることが観察されました。
これらは恋愛感情や性的欲求を感じたときによく出る仕草とされています。
彼氏を傷つけたとき別れと浮気のリスクは非常に高い
彼氏を傷つけてしまうことのリスクが分かったと思います。
謝罪して許してもらえたとしても、それは表面的なものに過ぎない可能性があります。
彼氏が一人でいるときに、傷ついたことを思い出すだけで、あなたに対する愛情は低下します。
さらには本来であれば発生すべき、他の女性を低評価するという現象も起こらなくなるのです。
つまり別れや浮気のリスクが非常に高くなるということです。
彼氏を傷つけた時に別れないための方法
彼氏を傷つけた時に別れないためにはどうすれば良いのでしょうか?
謝罪だけでは不十分です。いかに反省しているかを伝えても足りません。
それと同時に彼氏が傷ついたことを思い出したとき、それを打ち消すような情報を入れる必要があります。
そのために何をすれば良いかというと以下の3点です。
- 彼氏の話を傾聴(相手の立場に共感し肯定的に聞く)
- ユーモア(二人で楽しいと感じることをする)
- どれほど大切に思っているかを伝える
こちらから働きかけて相手の感情を変化させる方法を「Extrinsic Emotion Regulation(外発的感情制御)」と言います。
シドニー大学のサラ・A・ウォーカー博士らの研究によればこの3つが有効な戦略とされています。
またカップル間の関係満足度を高めるにも有効な手法です。
これらの方法を使って、いかに2人で一緒にいることが、素晴らしくお互いの成長につながることかを彼氏に認識させることが大切です。
参考文献
・Gurit E. Birnbaum, Moran Mizrahi, et al. (2018). Our Fragile Relationships: Relationship Threat and Its Efect on the Allure of Alternative Mates.
・Sarah A. Walker, Rebecca T. Pinkus, et al (2023). People with higher relationship satisfaction use more humor, valuing, and receptive listening to regulate their partners’ emotions.