結婚前に「本当にこの人と結婚していいのだろうか?」と迷う人は少なくありません。
そこまで深刻でなくとも夫か妻のどちらかが婚約中に何らかの懸念を持っていたという夫婦は3分の2ほどいるという調査結果もあります。
好きなんだけど借金癖がある…
実は神経質でキレやすいかも…
マザコンかもしれない…
こういった不安や迷いを持ったまま結婚した場合にどのような結末を迎えるのでしょう。
一緒に生活をしていくうちに気にならなくなるのでしょうか?それとも離婚に至ってしまうのでしょうか?
結婚前に不安を持つ人は少なくない
日本で結婚前に不安や迷いを感じて結婚したカップルが離婚する確率を調べた調査というのはないのですがアメリカにはありました。
ロサンゼルスで232組の新婚夫婦を数年間に渡り調査したデータがあります。
その中で「結婚前に何らかの不安があったか?」ということを質問しています。
これに対し夫の47%、妻の38%が「はい」と答えています。
「この人と結婚して本当に大丈夫?」と不安を持つ人は少なくないことが分かります。
4年後の離婚率
最初の調査から4年後に二人の関係がどうなっているのかも確認しました。
すると結婚前に不安を感じていた夫は14%が、妻は19%が離婚していました。
不安を感じていなかった人たちの離婚率は低く夫で9%、妻で8%でした。
両方が不安を感じていたときの離婚率は20%に対し、どちらも感じていなかったときは6%でした。
女性の場合は結婚前に不安を感じているかいないかによって2倍以上の開きがあります。
日本よりもアメリカのほうが離婚率は高いですから数字をそのまま当てはめることはできません。
しかし結婚前に不安を抱えていると早期に離婚する可能性が大幅に高まるということは間違いなさそうです。
「愛があれば大丈夫」ではなさそう
最初に気になることは時間が経つと余計に気になることもあります。結婚前の不安は的中することが多いとも言われます。
女性の方が婚約中に懸念を感じる割合は低いのですが、感じた場合の離婚率は高くなります。
だからといって違和感や迷いがあるなら婚約を破棄すべきとアドバイスしたいわけではありません。
しかしパートナーとなる人が話し合いの出来ない人の場合は、結婚前の今が最もマシな時期と思ったほうが良いかもしれません。
お互いに意見を言い合える関係かどうかというのは非常に重要です。
今と4年後では脳内の神経伝達物質の分泌量も変化しているのです。「大好きだから何でも許せるわ」と脳を情熱的にしてくれる物質はもう出なくなっています。
「愛があれば大丈夫」と楽観視しないほうが良いです。
「愛がなくなっても大丈夫か?」という視点も持ったほうが失敗しないと思います。
価値観だけではなく状況の認識にズレがないかも確認しましょう。状況の認識が似ている夫婦は結婚生活の満足度が高いという研究もあります。
参考文献:Lavner, Justin A, et al. (2012). Do cold feet warn of trouble ahead? Premarital uncertainty and four-year marital outcomes.