いつも恋愛がうなくいかない人は自分で書いた「人生脚本」に原因があるのかもしれません。
精神科医のエリック・バーンによると人は誰でも無意識のうちに自分の人生を決定づけるシナリオを書きその後はその内容通りになるような行動を取るのだそうです。これが人生脚本です。
この人生脚本に「私の恋愛はうまくいかない」と書いてある人は自分でも気づかないうちにその通りになるような行動を取ってしまうのです。
人生脚本の理論
冒頭で紹介したエリック・バーンは交流分析という心理療法の理論を提唱した人でカウンセラーなら誰でも知っている人です。
エリック・バーンの「人生脚本の理論」によれば自分の人生の脚本を書くのは子供時代と考えられています。
そして内容に影響を与えるのが親との関係や育った環境です。特に恋愛に関する筋書きは親から受け取るメッセージが大きく関係します。
親から毎日愛情たっぷりに育てられた人は「自分は愛されるべき存在である」と認識することができます。
そのため適度な自己肯定感を育むことができポジティブな人生脚本を書くことが出来ます。「私の恋愛はうまくいく」と書いてあるでしょう。
反対に親から愛されなかったり偏った価値観を植えつけられてしまった人は「どうせ自分は幸せになれない」と無意識に深く刻み込まれるため自己肯定感が低くなりますからネガティブな内容を書きます。
無意識のうちに「私の恋愛はうまくいかない」と書いてしまうのです。
人は同性の親の生き方に自分を重ね合わせることもありますから母親が幸せだったかどうかが影響することもあります。
母親が父親に大切にされ幸せそうに見えれば自分もそういう人生を歩むのだろうと考えます。
人生脚本は書き換えられるものですから最初にポジティブな内容のものを書いたとしても学校での体験や恋人との関係によってネガティブなものに変化することもあります。
恋人に酷い目に遭わされたことで「私の人生は不幸」と書き換えてしまうこともあるのです。
恋愛がうまくいかない流れ
人生脚本が恋愛にどのような影響を与えるのかより具体的に説明します。おそらくあなたも自分に当てはまると思う部分があると思います。
人生脚本に「私の恋愛はうまくいかない」と書いてある女性が魅力的な男性に出会ったとします。
この場合どのような態度を取るかというと1つは何もしないということです。うまくいくわけないと思っているのでアプローチしません。
当然お付き合いすることはできません。そして「やっぱりうまくいかなかった」と確信を強めてしまいます。どうせ振られるのだから何もしないのが正解だったと自分を納得させることもあるでしょう。
別のパターンとしては恋愛がうまくいかない行動ばかり取ってしまうというものがあります。
相手が好意を持って接してくれてもそれを拒絶したりそこから逃げ出してしまうことで相手が「嫌われてるのかな?」と思ってしまいます。
また自分では正しいアプローチをしたつもりでも実は逆効果になるようなことばかりしてしまうことがあります。
なぜこのような行動を取ってしまうのかというと人間というのはたとえそれが悪いことであっても自分の考えが正しかったと証明されると安心することがあるからです。
自分の恋愛がうまくいかないと思っている人は振られたときに心のどこかではホッとしているのです。
このような安心感を求めるためたとえそれが悪い内容であったとしても無意識に自分の確信通りの結論に近づくような行動を取ってしまいます。
付き合えることになった場合も「自分の恋愛はいつもうまくいかないから捨てられるのではないか」という不安に苛まれることがあります。
そしてその不安を鎮めるために過度な束縛をしたり「私のこと愛してる?」と何度も確認したりします。
すると相手は負担に感じますから本当に捨てられてしまうのです。このとき自分が捨てられるような行動を選択しているということにはなかなか気が付きにくいものなのです。
これは私のカウンセリング経験から言えることなのですが自分の恋愛がうまくいかないと思っている人はそれが雰囲気に出てしまっています。
猫背だったり伏目がちだったりして自分で自分の魅力を消すようなことをしているのです。ちょっとした会話の中にコンプレックスが滲み出ていることもあります。
そういったマイナスの雰囲気が相手に伝わってしまうことで恋愛がうまくいかなくなってしまっている人がたくさんいます。
恋愛がうまくいくような対抗脚本を書く
人生脚本に「恋愛がうまくいかない」と書き込んでしまっている人もそれを書き換えることができます。新たな脚本を「対抗脚本」と言います。
難しいことではありません。まずは自分が無意識に書いてしまった不幸な脚本を認識することから始めます。自分の過去を振り返ることで何が影響を与えているのか思い出せば良いのです。
「恋愛がうまくいかない」と書いている人は親との関係や恋愛のトラウマから大きな影響を与えていることが多いですがそれ以外で見落としがちなのが学生時代に友達から言われた何気ない一言です。
小学生の頃に周りの子より太っていたため「デブ」や「ブス」という悪口を言われ自分は魅力がないのだと強く思い込むと大人になり標準の体型をしていても心のどこかでは引け目を感じてしまうのです。
小学生くらいのときは言葉に対して無防備なので言われたことをそのまま受け入れて深層心理の中に残したままにしてしまうことがあります。
学生時代のカーストのポジションを大人になった後の恋愛にまで引きずっている人は少なくありません。
自分の人生脚本がどのように書かれたのかを認識しそれが根拠のないものであるということに気が付くだけでも変化は生じます。
自分の恋愛がうまくいかない理由が人生脚本にあるということを理解したら今度はこれからどんな恋愛をしていきたいのかを考えます。
そして筋書きを紙に書き出して自信が持てるようになるまで毎日眺めましょう。新しい脚本が潜在意識の中に刷り込まれ無意識に出る行動が変化します。
今までうまくいかなかった恋愛がうまく回り始めるでしょう。
人生脚本の影響は恋愛に限ったことではありません。
成功した企業の社長さんのインタビューなどを見ていても「最終的には成功するという確信めいたものがあった」という人が多いのです。
これは幼い頃から周囲に成功した人が多くいたり親から「オマエは成功する」と言われながら育ったために無意識の中に成功の脚本が書きあがっていたからでしょう。
恋愛をうまくいかせるかどうかは自分で書いた脚本次第です。
「私の恋愛はうまくいかない」と書いてある人はさっさと書き換えましょう。