好きな人に振り向いてもらうために相手に尽くしたり助けてあげたりする人は多いです。
しかし、そうしたからと言って必ずしも相手が自分を好きになってくれるとは限りません。
そんなときは逆の考え方をすると良いかもしれません。
つまり好きな人にお願いごとをしたり助けてもらうことで好きになってもらうのです。
心と行動が矛盾すると認識を変える
人は心と行動に矛盾が生じると違和感や不快感を感じます。そしてそれを解消しようとします。
例えば困っている相手を助けてあげたとします。それが何度か続くうちに「なぜいつも助けてしまうのだろう?」という疑問が沸いてきます。
そして「相手のことは何とも思っていないはずなのに助けてしまうのはおかしいな…」となります。
このような認識と行動の矛盾を心理学では「認知的不協和」と呼びます。
認知的不協和を解消しないと違和感が残るため「自分は相手のことが好きなんだ」と認識を変えて自分を納得させるのです。
「好きでもない人を助けるのはやめよう」と行動を変えるのではなく「助けているのは好きだからだ」と認識を変えて不快感を解消するのです。
お願いをして好感度を調べる
助けてあげた人を好きになるということは実験でも証明されています。
アメリカの心理学者であるジェッカーとランディは次のような実験を行いました。
被験者に「学習における報酬の効果の実験を行います」と伝えます。
被験者は出題された問題に正解する度にお金がもらえます。
最終的には60セントもらえた人と3ドルもらえた人が出ます。
しかし実験の最後に「研究資金が無くなってしまったので報酬として得たお金を全て返してもらえませんか?」とお願いします。
このお願いをされたほとんどの人がお金を返しました。
依頼された人の方が好感度を高く評価
実験が終了した後に被験者にアンケートに回答してもらいます。
その中には実験を担当した人(=お金を返してと言った人)に対する好感度を測る質問も入っていました。
お金を返した人と、そのような依頼を受けなかった人の担当者への好感度を比べたところ、お金を返した人の方が担当者への好感度は高かったことが分かりました。
しかも60セント返した人よりも3ドル返した人の方が好感度はより高かったのです。
助けてあげた人を好きになりやすい
被験者はお金に困っている担当者を助けたことによって好意を持ちやすくなったと言えます。
人は助けてあげた人を好きになりやすいということが理解出来たと思います。
好きな人に振り向いてもらいたいときは尽くすだけではなくたまには助けを求めるのも効果的です。
ただし注意しなければならないことがあります。
助けを求める場合は相手にとって適度な負担になるような内容にしなければなりません。
あまりにも負担が大きすぎることを頼むと逆効果になってしまうこともあるからです。